2022.03.23
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自動化の第一歩を! 軸数絞って扱いやすく【後編】/ブラザー工業、田中工画

忖度抜きで100点満点

「現状には満足」と話す田中契斗社長

 田中工画が導入した自動化システムで加工しているのは、北米市場向けのピックアップトラック用アルミダイカスト部品だ。月産1万2000個ほどと生産量が多く、今後さらに4000個追加される見込みだという。  安定的な生産量が期待できる仕事を受注できた一方で、同社は製造現場の人手不足にも頭を抱えていた。自動化の第一歩を踏み出す狙いで、BV7-870の導入に踏み切ったという。ブラザー工業にワークの図面や目標のサイクルタイムを提示し、ブラザー工業がシステム構築をメインで担った。  田中社長は「満足度は忖度(そんたく)抜きで100点満点中100点。イメージ通りの自動化システムを構築してくれた。ただ、まだ導入してから1年しかたっておらず、長く使ううちに新たな課題も出るかもしれないが、アフターフォローも含めて現状には満足している」と評価する。

田中社長(右から3番目)とBV7-870の開発や導入に携わったメンバー

 田中工画は今後、2台目、3台目の自動化システムの導入も視野に入れる。  だが、初号機の導入を決意したのは、安定的な生産量が期待できる仕事を受注できたから。自動化システムが特に力を発揮する大量生産(量産)物の仕事を獲得しようと模索を続けるものの、現実的には多品種少量生産の案件の方が多い。しかも、同社が積極的に狙うのは競合他社が敬遠する異形物のワークだ。  田中社長は「多品種少量生産だとロボットハンドもストッカーも頻繁に変更しなければならない。しかし、BV7-870を生かして多品種少量のワークを効率的に加工できれば、会社の成長につながるし、2台目、3台目の導入も加速するはず。それだけに、ブラザー工業には多品種少量生産の自動化に役立つアイデアや提案を期待したい」と話す。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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