溶接ロボットに軸足を置き、周辺領域を開拓【後編】/ダイヘン金子健太郎常務執行役員
ロボットを含むアプリ開発に努める
――どのようなロボットのラインアップを構想していますか。 漠然とロボットのラインアップを拡充していくことは考えていません。大手の総合ロボットメーカーと競い合うのではなく、溶接をはじめとするお客さまのニーズに応えていきたいと考えています。具体的なアプリケーションに対応するために、最適なロボットを開発していきます。ですから、お客さまが今どのような使い方をしているか、という点を非常に重要視しています。何でもできる汎用的なロボットは競争相手も多いですし、具体的なアプリケーションを提案していきたいです。 ――溶接ロボットの主要ユーザーである自動車工場での使われ方をイメージしている。 溶接ロボットのユーザーに自動車関連企業が多いのは間違いありません。およそ6割が自動車工場です。食品のハンドリングや梱包向けの需要も出てくると思いますが、わが社では何らかの「加工」に関わる用途を想定して、アプリケーション開発に取り組んでいます。 ――ロボットの形状やデザインにこだわりはありますか。 色の組み合わせや見栄えには、こだわっています。あまりゴツゴツしたものより曲線形のデザインが好まれます。形状で言えば、双腕ロボットはラインアップしていませんが、それに近い使い方はしています。双腕ロボットの良い点は、左右のアームをきっちり制御すれば協調作業ができるところです。2台の多関節ロボットを1台の制御装置で協調させ、高精度にワークをハンドリングする使い方をします。これなら、双腕ロボットのように使いながら、より広い用途に使えますし、必要に応じて左右で異なるスペックのロボットを並べることもできます。
――終わり (ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)