2019.11.19
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産ロボ導入にメリットを感じる人が9割も! /第1回読者アンケート結果

導入のハードルは「社内の人材」と「コスト」

 全回答者を対象に産業用ロボット導入のハードルを尋ねた。アンケートは1~5の選択式で実施。平均値が高いほど、その質問内容が「当てはまる」傾向といえる。  最も平均値が高かったのは、「ロボットを扱える人材の不足」だ。「コストが高い」「コストが分からない」と続く(上表)。反対に平均値が低い項目は「ロボットで何ができるか分からない」「購入先、相談先が分からない」だ。こちらは、回答者が産業用ロボットへの関心が高いことにより、一般の意識とは大きなずれがあると推測できる。  ここでの話を大胆にまとめると、「ロボットにさせたい作業があって購入先や相談先も分かるが、社内に扱える人材がおらずコストが高すぎたり、いくらかかるか分からないため、ロボット導入につながっていない」傾向にある。

興味や関心は「生産効率」と「今後の成長」

 回答者はなぜ、産業用ロボットに興味や関心があるのかを尋ねた(上表)。  すると、「生産効率を高めたい」と「今後の成長分野だから」の平均値が高かった。ただ、この2つは傾向が異なる。  「生産効率を高めたいから」の平均値が高いのは、「ロボット導入済」のグループで、4.25となった。一方「今後の成長分野だから」の平均値が高かったのは、職種が「営業」や「経営、総務、企画系」のグループで、その2つをまとめると同4.23となっている。

知りたいのは「先端技術」、「新製品、新技術」、「活用事例」

 「知りたいロボットの情報」を深掘りした。やはり、ロボット業界の動向を示す「今後実用化されるであろう技術やシーズ」「新製品、技術情報」や、使い方の参考になる「他社での導入事例」といった項目が上位になった(上表)。  こちらも先ほど同様に「ロボット導入済」と「営業」「経営、総務、企画系」の2グループを抽出すると、「ロボット導入済」のグループでは「他社での導入事例」の平均値が4.35となった。  他方、職種が「営業」や「経営、総務、企画系」のグループは「今後実用化されるであろう技術やシーズ」の平均値が4.50、「新製品、技術情報」が同4.41となっている。さらにこのグループだけが「ロボットメーカー、商社、SIerおよび業界の動向」で、同4.40と突出しているのも興味深い。

「愛知でのロボット展」のニーズは高い

 またアンケートでは、ロボットダイジェストの運営者でもあるニュースダイジェスト社が来年7月に愛知県で開催する「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)」についても調査した。来場意欲を検証するために、同様のロボット見本市「国際ロボット展(iREX)2017」の来場実績とRTJへの来場意欲を比較した。  回答者の中でiREXに「行った」人は全国で23%(表1)、東海に限れば21%(表2)であった。産業用ロボットに感心が高いと考えられるロボダイ読者でも、国内最大の展示会に足を運んだ人の比率は低い(※「行った」と回答した読者の勤務先に地域的な偏りはほぼ見られず、若干関東の比率が高い程度)。RTJに「行く・検討」との回答は、全国で86%(表1)、東海に限れば90%(表2)と極めて高い。  以上の結果から次のように考察できる。産業用ロボットに関心の高いロボダイ読者だが、iREXには足を運べていない。また東海に限ると、「①iREXには行ってないが②RTJには行く・検討」との回答の比率が70%と圧倒的に高い(表4)。そもそも「行く・検討」の総計は90%に及ぶ。つまり、愛知で産ロボ展が開催されることへの潜在需要は極めて高いと言えるだろう。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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