神戸製鋼所と協業で自動車・二輪向けロボット溶接の新工法を開発/パナソニックコネクト
パナソニックコネクト(東京都中央区、樋口泰行社長)は5月7日、神戸製鋼所とアーク溶接の新工法や新溶接材料の販売、開発協力などに関する協業の合意を発表した。同日報道陣向けに説明会と溶接実演会が開催された。
神戸製鋼所が建設機械や製缶分野向けに開発した溶接工法「AXELARC(アクセルアーク)プロセス」を、パナソニックコネクトが自動車や二輪車向けに調整し、ロボット溶接システム用の溶接工法「AXEL(アクセル)-AWP4」を開発した。「アクセルアークプロセスの技術を自動車業界に適用できないかと思い、同業界で実績豊富なパナソニックコネクトに声をかけた」と神戸製鋼所で溶接事業部門長を務める末永和之執行役員は言う。
アクセル-AWP4と従来の溶接工法をそれぞれ実演し、スパッタ発生量の少なさをアピールした
自動車業界では従来の鋼板よりも薄肉化できる高張力鋼板や、さびが発生しにくい亜鉛めっき鋼板の採用が進んでいる。これらの鋼板は機能性が高い一方、スパッタ(溶接時に発生する溶融金属の粒子)の飛散や溶接強度の不足、気孔(きこう)の発生といった溶接不良を起こしやすいのが課題だった。
低スパッタが強みのパナソニックコネクトの溶接工法「AWP4」と、溶接強度に優れるアクセルアークプロセスを組み合わせることで、スパッタ発生量の低減と高い溶接強度を両立した。
アクセルAWP4はパナソニックコネクトの溶接ロボット向けコントローラー「G4シリーズ」のオプションソフトウエアで、発売日は5月7日。「3年後にはアクセル-AWP4の存在を顧客に広く浸透させたい」とパナソニックコネクトの溶接プロセス事業部マネージングダイレクターを務める大塚隆史執行役員は語る。
(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)