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2024.04.16

コンテナ荷降ろしロボットの運用評価を開始/XYZ Robotics、帝国倉庫

中国に本社を置くXYZ Robotics(XYZロボティクス)の日本法人(東京都港区、蘇詠善社長)と、関東を中心に展開する帝国倉庫(東京都江東区、中井敏昭社長)は共同で、トラックローディング/アンローディングロボット「Rocky(ロッキー)」の運用評価を開始した。4月から5月にかけて運用評価を行い、稼働の安定性などを確認する。「使ってみて初めて分かることもある。実際の顧客の荷物で稼働が見せられるのは入荷があるタイミングに限られるが、興味があれば見学も可能」とXYZロボティクスの小池太営業部長は話す。

6人必要だった作業が2人に

壁面に当たらないよう自動で角度を調整

 ロッキーは、可動式架台にロボットアームを搭載し、後ろに伸縮式コンベヤーを付けたシステムだ。トラックの荷台に乗り込み、コンテナ内に積まれた段ボール箱の荷降ろしをする。今年4月に帝国倉庫が運営する東京都大田区の倉庫にロッキーを導入し、帝国倉庫が顧客から預かる荷物の荷降ろしに使用している。

「ロボット導入のメリットは大きい」と話す帝国倉庫の荒木誠部長

 今回の運用評価では、重量14.5kgの箱の荷降ろしをする。「高く積まれた重い箱の荷降ろしは作業者への負荷が大きく、危険もある。またコンテナ内は夏場は非常に暑くなり、熱中症の心配もあるので、ロボットで自動化する意義は大きい」と帝国倉庫の荒木誠第一営業部長は語る。

 従来この作業には6人の人手が必要だったが、今回の導入により2人に減らすことができた。「倉庫業界でも年々人手の確保は難しくなっており、これは大きなメリット」と荒木部長は話す。

現場ですぐに使える

運用評価の現場でロッキーの説明をするXYZロボティクスの小池太営業部長

 ロッキーは人工知能(AI)機能で動作経路を自動生成するため、箱の情報を事前に登録しなくても稼働が可能だ。狭いコンテナ内で壁面にアームや箱がぶつからないよう、複雑な軌道で器用に動作する。
 複数種類の箱が詰まれた混載コンテナにも対応できるが、今回は一種類の箱が詰まれた単載の荷降ろしで運用評価をしている。「混載と比べて単載の方が動作速度を上げやすく、また非常に長い箱など一部対応が難しい箱もあるので、まずは単載からトライしている」とXYZロボティクスの小池部長は話す。

ロッキーが上段の箱を取り出す様子

 ロッキーに組み込まれているロボットはファナック製で、本体重量の軽さと各軸の長さがこのシステムに最適だったためこの機種を採用した。今回は荷降ろしだけだが、箱の積み込みにも使える。今回導入した機種は1時間に400箱の荷降ろしができるシングルアームのタイプだが、ロボットアームが2本の「RockyDual(ロッキーデュアル)」もラインアップする。

 搭載する真空グリッパーは新開発で、下段の箱を取る時は一般的な真空グリッパーと同様に、箱の上面を吸いつけて持ち上げる。
 上段に積まれた箱を取るときは、垂直の手前面を吸着して箱を引き出す。重量のある箱では横から吸着するだけではしっかりと保持できないため、箱を引き出す際に吸着面を後退させると箱の下に支持機構がせり出す構造で、下側からも箱を支える。
 今回の運用評価では1箱ずつ荷降ろしするが、箱のサイズや重量次第では2個ずつ扱うこともできる。

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 運用評価は5月まで。ロッキーの導入に関心のある企業は、問い合わせフォームなどからXYZロボティクスに連絡すればこの現場を見学可能だ。実機の稼働を見てもらうことで販売拡大を図る。
 またロッキーに関心がある企業は物流機能の強化を検討しているため、帝国倉庫が提供するさまざまな倉庫サービスも併せて紹介する。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)



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