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2021.12.10

連載

[ショールーム探訪vol.2]幅広いメーカーの協働ロボット、AGVが一堂に【後編】/オリックス・レンテック「Tokyo Robot Lab.」

連載企画「ショールーム探訪」の第2回は、オリックス・レンテック(東京都品川区、細川展久社長)の「Tokyo Robot Lab.(トーキョー・ロボット・ラボ)」を取り上げる。前編では施設の概要を説明したが、後編では同施設で見られるデモンストレーションなどを詳しく紹介する。「幅広いメーカーの製品をそろえており、ニーズにあった最適な製品やシステムを提案できる」と事業戦略本部事業開発部の伊井俊輔ロボット事業推進チームリーダーは話す。

ダイレクトティーチを体験!

 さまざまなメーカーの協働ロボットや無人搬送車(AGV)などを展示する「トーキョー・ロボット・ラボ」。後編では、同施設で見られるデモなどを紹介する。
 訪問当日は、ロボット事業推進チームのエンジニアである石崎香織主任に、ロボットを動かしてもらった。

 石崎主任の案内でまず向かったのは、入口を入った所にあるユニバーサルロボットの協働ロボット「UR eシリーズ」の展示。アームを手で動かすことで動作プログラムを簡単に作成できる「ダイレクトティーチング機能」を体験させてもらった。
 「このボタンを押している間はアームをつかんで動かせます。スタート地点からゴール地点まで数点ポイントを記憶させれば、ポイントをたどって、ロボットにその動作を再現させられますよ」とのことで、実際にやらせてもらった。教えてもらいながら言われた通りにやってみると、確かにロボットに動作を設定することができた。非常に簡単な動作だけだが、教わって、言われた通りにやってみて、動作の確認まで5分も掛からずにできた。

  • さまざまな協働ロボットが並ぶ

  • 教わりながらダイレクトティーチングを体験!

協働ロボットYuMiのデモ

 ABBの双腕型の協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」のシステムは、医療機関や検査機関、研究機関などでの利用をイメージした展示だ。左右のアームの連携を披露する。片方の手で容器を持ち、もう片方の手でふたを回して開けるといった動作をデモンストレーションする。
 同社は金属3Dプリンターを使った造形受託サービスも展開しており、ロボットハンド先端の爪は自社に設置する金属3Dプリンターで造形したものだ。

販売やリースにも対応

石崎香織ロボット事業推進チームのエンジニア(左)と伊井俊輔ロボット事業推進チームリーダー

 展示物は比較的シンプルなシステムが多いが、高度に作り込んだロボットシステムを提供することもできる。
 石崎主任の他にもロボットを専門とする複数のエンジニアがおり、必要に応じて外部のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)とも連携してシステムを構築する。

 2016年にロボット事業を開始した当初は協働ロボットとはどんなものか、どんな用途に使えるのかがまだそれほど知られておらず、「お試し」で比較的短期間レンタルするニーズが多かったという。しかし「現在はお試しではなく設備としての『本導入』を見据えて、作り込んだシステムを求められることが増えた。わが社ならレンタルだけでなく貸し出し品をそのまま販売したり、オペレーティングリースにより提供するなど、ニーズに合わせた幅広い提案ができる」と伊井チームリーダーは言う。

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