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2022.07.11

イベント

大手ロボットメーカー幹部が未来を語る【前編】/RTJ2022「スペシャルセッション」

3日間で合計4万1880人の来場者を集めた「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」。会場では連日、そこかしこで製品や技術がPRされたが、とりわけ多くの来場者の関心を集めたのが、会期初日の6月30日に開催された主催者企画「スペシャルセッション」だ。ファナックや安川電機、デンソーウェーブ、ABBの大手ロボットメーカー4社の幹部が参加。「これからのロボットの使い方」をメインテーマに、それぞれのロボットメーカーが思い描く未来像を語った。

キャンセル待ちの長い列が

 スペシャルセッションが始まる10分前。セッションは事前予約制のため、多くの聴講予約者が主催者ステージを訪れた。事前予約の定員280人は会期の数週間前には満席となったため、予約ができなかった来場者がキャンセル待ちの長い列を作り、その行列は通路の裏まで伸びた。

経済産業省の大星光弘ロボット政策室長

 セッションに先立ち、経済産業省製造産業局産業機械課の大星光弘ロボット政策室長が経済産業省のロボット関連政策を紹介。

 「今後も右肩上がりが続く見通しのロボット業界において、ロボットに精通した人材がますます必要になる。主要ロボットメーカーと教育機関が協力して人材育成に取り組む『未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI= チェルシー)』を2020年に設立した。一例として、学生が身につけるべきスキルやカリキュラムの策定について、産業界からアドバイスをいただきながら着手した。また、2019年には、日本のロボット業界の競争力をより高めるために、システムインテグレーターやユーザーなど60社以上が参加する『ロボット実装モデル構築推進タスクフォース』を立ち上げた。企業単位では難しい連携や協業を、仕組みを作ることで実現したい」と述べた。

3つのお題でトークに熱

ロボットダイジェストとRTJのコラボ企画で、司会はロボットダイジェスト編集長の八角秀が務めた

 セッションへの期待の高さは、登壇者の顔ぶれを見れば納得できる。
 ファナックの稲葉清典専務執行役員ロボット事業本部長、安川電機の小川昌寛代表取締役専務執行役員ロボット事業部長、デンソーウェーブの神谷孝二執行役員FAプロダクト事業部長、スイスに本社を置くABBの日本法人の中島秀一郎社長兼ロボティクス&ディスクリート・オートメーション事業本部長の4人に加え、経済産業省の大星ロボット政策室長もオブザーバーとして登壇。ロボット業界をけん引するフロントランナーが集った。

 ロボットダイジェスト編集長の八角秀の司会でセッションが始まると、登壇者の話に徐々に熱が入っていく。セッション全体のテーマは「これからのロボットの使い方」。これに基づく「ロボット技術は今後どう進化する?」「ロボットの活用領域は広がる?」「未来に向けたロードマップ」の3つのお題で、登壇者はロボットメーカーとしての方針や持論を披露した。聴講者は真剣に耳を傾け、熱心にメモを取る姿も。ステージの入り口付近には、立ち見客も多くいた。
 次ページからは、3つのお題に沿った登壇者の発表内容の大筋をリポートする。

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