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2021.07.20

CarriRo、搬送の完全自動化が可能に/ZMP

物流支援ロボット「CarriRo(キャリロ)」を製造、販売するZMP(東京都文京区、谷口恒社長)は7月13日の~15日、オンラインイベント「ZMP World(ワールド) 2021」を開催した。15日はキャリロデーとして、笠置泰孝キャリロ事業部長がキャリロの新機能や新ラインアップなどを発表した。

けん引着脱、充電機能を追加

キャリロとカゴ台車を自動締結するデモ

 キャリロデーで発表した目玉の一つが、完全無人搬送を実現するための2つの新機能だ。一つ目がけん引の自動着脱機能で、キャリロとカゴ台車などとの締結と切り離しが自動でできる。従来は人が締結、切り離しをしていたが、その人手が不要になる。
 「キャスターには、水平方向に旋回できる自在輪と方向が固定された固定輪がある。4輪とも自在輪だと、曲がる際に外側に振られ、うまくけん引できないが、キャリロでは独自の機構により、4輪とも自在輪でも安定走行を可能にした。台車の改造は必要なく、現在使っているものをそのまま使える」と笠置事業部長は話す。

「搬送の完全自動化が可能になった」と笠置泰孝キャリロ事業部長

 もう一つが、自動充電機能。キャリロが自動で充電ステーションに行き、充電する。指定した時刻、あるいは指定したバッテリー残量を下回った時に自動で充電する。

 「今年の3月に発表したパレット(荷役台)の自動整列機能と、今回発表した2つの機能を活用すれば、搬送の完全自動化が可能になる」と笠置事業部長は言う。

ハイブリッド誘導タイプの量産版が登場

 ハイブリッドSLAM(スラム)仕様のキャリロの量産版も発表した。ハイブリッドスラム仕様では、床面に貼ったシールを認識して走行するランドマーク・ライントレース方式に加え、周辺環境を認識して自律走行するビジュアルスラム方式でも走行できる。床面や周囲の状況に合わせ、両方式を組み合わせて使用する。
 同機能は昨年発表したものだが、今回量産版を開発し、受注を開始した。

ZMPワールドで発表したキャリロフォーク・ウォーキータイプ


 また、キャリロブランドの無人フォークリフト「キャリロフォーク」では、可搬質量が小さく安価なバージョン「キャリロフォーク・ウォーキータイプ」や、トラックにパレット積み込む新機能などを発表した。

 7月19日~30日にはオンラインではなく、実際に各製品を見てもらうイベント「ZMPワールド 2021デモウィーク」を開催。東京都江東区の「キャリロイノベーションセンター」などで実機デモを披露する。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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