UR協働ロボを組み込んだ溶接システムを発売/ダイヘン
電力機器、溶接機器大手のダイヘンは8月3日、デンマークのユニバーサルロボット(UR)製の協働ロボットを使った溶接システム「Welbee Co-R(ウェルビー・コアール)」を発売した。同システムは、URの公認周辺機器「UR+(プラス)」の認証を得ており、ダイヘンはセットアップのしやすさや使いやすさを訴求する。
溶接業界では人手不足が深刻で、その解消策として産業用ロボットによる自動化が進む。 しかし、特に中小規模の現場では、ロボットの設置スペースの確保やロボットを操作できる人材の不在、安全対策の費用などが導入の障壁となっている。 そこでダイヘンは、協働ロボットを使った溶接システムを開発した。協働ロボットは人の近くでも作業でき、安全対策への投資も最小限に抑えられる。安全柵が不要なため既存の溶接ラインにも導入しやすい。また、動作プログラムの作成が容易で専門の技術者でなくても操作できる。ダイヘン独自の溶接ノウハウも多数盛り込んだ。
溶接では、条件ごとに大まかな設定基準はあるが、微調整が必要だ。ウェルビーCo-Rにはダイヘンの半自動溶接機用のリモコンを搭載しており、システムの稼働中にリアルタイムでアークの確認と溶接条件の調整を手元でできる。一度調整が済めば、以降は同じ対象物は同様の条件で溶接できる。 また事前に専用のソフトウエアをインストールすれば、URのロボットコントローラーから溶接条件を設定できる。必要な機能や情報をコントローラーの画面に集約。溶接開始の指示や、溶接の開始位置と終了位置の指定など、溶接プログラムの基礎となる動作コマンドが説明付きで表示され、初心者でも直感的に使える。