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2018.11.01

連載

[SIerを訪ねてvol.1] 食品向け開拓し、組み合わせ技術磨く/オフィスエフエイ・コム【前編】

オフィスエフエイ・コム(栃木県小山市、飯野英城社長)は、グループ全体で400人近い社員を擁する大手のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)だ。ロボットシステムの構築や各種専用機の製造のほか、物流企業向けの在庫管理ソフト「WAREHOUSE(ウエアハウス)シリーズ」を開発・販売するソフトウエアメーカーの顔も持つ。「ロボットSIerの大半は機械に強いが、当社は機械よりも電気やソフトウエアに強みを持つ。このようなSIerは珍しい」と飯野社長は話す。

97年に独立して創業

「当社は電気とソフトウエアに強い」と話す飯野英城社長

オフィスエフエイ・コムは、電気設計やソフトウエア開発の技術者だった飯野社長が1997年、23歳の時に独立して始めた会社だ。
 99年に法人化し、後に専用機の設計や製造も担うようになったが、今でも電気やソフトウエアに強みを持つ。

 「部品加工会社が組み立てや設計まで手を広げ、地場の専用機メーカーになる。専用機を作る中でロボットを扱う機会が増え、ロボットSIerとしてのノウハウを蓄積する。これがSIerになる一つのパターンだ。一方、当社は電気とソフトウエアをルーツとしており、こうした会社は珍しい」と飯野社長は話す。

 大半のSIerでは電気・ソフトウエア系より機械系の技術者が多いが、同社はその逆で、電気・ソフトウエアの技術者が100人を超える。
 大型案件では他のSIerとチームを組むこともあり、電気やソフトウエア部分だけを担うことも多い。

ショールームにはIoT技術を使ったロボットシステムの提案スペースも設けた

同社は直近の10年間で急速に拡大した。

 「インダストリー4.0やモノのインターネット(IoT)のような、生産設備にIT技術、デジタル技術を組み込む流れが強まり、電気やソフトウエアの重要性が高まった。これが追い風となり、社員数は10年前の3倍になった」と飯野社長は言う。

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