[特集 国際ロボット展vol.1]得手に帆を揚げよ
ロボットなど自動化関連の産業に追い風が吹いている。かねてからの人手不足で「自動化できる作業は自動化すべき」との認識が広がりつつある。人工知能(AI)などの技術の進化も、自動化機器の普及を後押しする。このタイミングで、3月9日からは世界最大級のロボット展示会「2022国際ロボット展(iREX2022)」が開かれる。顧客の需要やニーズと、それに応える技術、その二つをマッチングする場。国内産業の自動化レベルの飛躍的な向上に向け、必要な全ての要素がいまそろった。
過去最高のロボット需要
産業用ロボット市場は過去最高の水準だ。日本ロボット工業会が発表する統計(会員ベース)では、2021年10月~12月期の産業用ロボットの受注金額は前年同期比3.9%増の2310億円、生産額は同21.5%増の2110億円となった。受注額は6四半期連続の増加、生産額は5四半期連続の増加を記録した。
目的が変わった
かねてからの人手不足に加え、感染症対策として現場での人の密度を減らす動きがあり、自動化需要の一層の高まりにつながっている。また、急きょ欠員が出ても現場を回せるようにするための「BCP(事業継続計画)」としてのニーズもある。 自動化を検討する際、以前は生産性や費用対効果が最も重視された。簡単に言えば「人をロボットに置き換えた場合、どれだけもうかるか」だ。しかし今は、「人手不足の中でも工場での生産などを維持するため、自動化できる作業は自動化を検討する」との考え方が増えているという。ロボットなどの自動化機器は「持続可能な経済活動に不可欠な存在」というわけだ。