直接操作してロボットの教示も! 新製品の販売本格化/KUKA
ドイツに本拠地を置くKUKA(クカ)の日本法人、KUKA Japan(横浜市保土ヶ谷区、大田紘社長)がこのほど、3つの新製品を日本法人本社に導入し、顧客への提案を強化している。大田社長は「今回の新製品で製品レパートリーが充実し、使いやすさも大幅に向上した。既存顧客はもちろん、新規分野や中小企業向けの提案も強化したい」と意気込む。
つまみを動かし、教示する
KUKA Japan本社に新たに設置した新製品は、ロボットに動作を直接教示する機器と水平多関節(スカラ)ロボット、中小型ロボット向けのコントローラーの3つだ。 教示用機器「Ready2 Pilot(レディー2パイロット)」はKUKA製ロボットの先端のエンドエフェクターに後付けして、アームを手で動かしながら動作を覚えさせるダイレクトティーチングを実現する。日本では4月1日に受注を開始した。 ロボットに装着した機器のつまみが6次元(D)の入力装置になっている。ロボットコントローラーと無線通信で接続しており、ロボットを動かしたい方向につまみを動かすと、指示通りにロボットが動く。 入力に強い力は必要なく、指を添えるだけでもロボットを動かせる。つまみをひねると、ロボット先端の角度を変えられる。
また、エンドエフェクターの先端を基準点として、先端の位置を変えずにロボットの角度のみを変えることもできる。溶接作業の教示などでの役立つ機能だ。 他にも、X、Y、Zの3方向のうち、いずれかのみを固定した上でのダイレクトティーチもできる。教示する際に余計な方向に力をかけて、思わぬ方向にロボットが動くのを防ぐ。 動作を直接教示した後にプログラムの追加や変更、調整もでき、エンドエフェクターの動作も組み込める。 大田社長は「KUKAのロボットは動作精度や剛性が高い反面、初心者には扱いにくいとのイメージがある。レディー2パイロットや具体的なアプリケーションの提案を増やし、ロボットの扱いに慣れていないような中小企業でも導入しやすい製品として、KUKAロボットのイメージを変えたい」と話す。