NVIDIAの技術で、国内発のフィジカルAI基盤を/富士通、ファナック、安川電機、川崎重工業
デファクトスタンダードになれるか
これまでロボットメーカー各社とも、オープン化や内部開発など方針の違いはあれど、フィジカルAIの開発と適用を進めてきた。
その中でFujitsu Kozuchiはどのような位置付けになるのか。
示唆となるのが、川崎重工の橋本社長兼CEOの受け答えだろう。意気込みの表明や質疑応答の場面で何度も医療やヘルスケア向けへの適用を強調した。
AIには学習データや処理能力の違いなどで、得手不得手がある。おそらく各社ともロボットの分野や用途に応じて、これまで開発した自社のフィジカルAIか、Fujitsu Kozuchiを介する形か、その他のオープン化技術を適用するのか、使い分けが進むとみられる。
会見中に、ファナックの山口社長兼CEOは「ROS2(ロスツー)やPython(パイソン)などのオープンPFへの対応技術」に言及し、安川電機の小川副会長は「ユースケースの重要性」をしきりに唱えた。それらも、具体的なアプリケーションによるPFの使い分けを意識した発言だろう。
反対に、その使い分けが見えてくるまでが、富士通にとり大きなチャンスともいえる。
会見中にエヌビディアのフアンCEOは、日本の技術を称賛する反面、「日本の株価は非常に速く動くが、現場への実装もそのスピードに追いつかなければならない」と、日本企業の意思決定の遅さに釘を刺すような場面もあった。
これまでの産業界を振り返ると、企業間連携のPFは「総論賛成・各論すみ分け」になりやすい。
富士通がリード役として、どこまで各社をけん引し、迅速な開発姿勢を示せるか。それが、Fujitsu Kozuchiが今後「国内発のデファクトスタンダード(事実上の業界標準)」になれるかどうかの試金石なのかもしれない。

