外観検査をAIだけに頼らない!“あえて”リモート目視も取り入れる/リモートロボティクス×TDSE
場所を選ばず検査できる
作業の流れとして、まずロボットが検査前のワークをカメラの前にハンドリングして外観をカメラで撮影後、TDSE Eyeが撮影画像を基に検査する。通常は良品を示す正常か、不良品を示す異常のどちらかに判定するが、あえて「目視」というステータスも準備する。 TDSE Eyeによって目視判定となると、リモート環境での検査担当者のRemolinkアプリ画面に通知が届く。アプリ画面上にはAIのヒートマップや現場の俯瞰(ふかん)画像、ワーク画像が表示されており、ロボットにワークを動かす指示もできる。人が現場で再検査をする時のように、リモート環境でもワークの角度を変えて見ることで凹凸や傷の有無を判断することができる。 基本的な検査作業はTDSE Eyeとロボットが自動で進めるため、作業者はこの一連の検査作業にずっと立ち合い続ける必要がなくなる。判断困難な製品があった場合のみ、遠隔でその製品の画像を確認し、検査結果をロボットに送るだけで済む。作業者は場所にとらわれることなく、他の作業と並行しながら進められたり、1人の作業者が複数工程、複数現場の検査を担当できるため、作業効率の向上に大きく寄与する。 「目視検査と比べて人の目で検査する量が減り、作業者にかかる負担も大幅に減らせる。目視検査よりも検査の担当者を少なくできるため、検査基準にムラが出にくくなる」と柴田グループ長は語る。 Remolinkを使えば作業者が常に工場にいる必要がなくなり、例えば事務棟で他の作業をしながら検査作業ができるようになる。また、育児や介護など在宅でなければ仕事をするのが難しい人でも自宅から作業できるため、インターネット環境さえ整っていれば、全国各地どこからでも働けるようになる。