[特集 2023国際ロボット展vol.7]トレンドは「ソリューション提案」/ロボットメーカー
人とロボットの協調
オムロンは「人と機械の可能性を最大化し、サステナブルなモノづくり現場を実現」をコンセプトに、熟練技術者の不足や生産拠点のグローバル分散化、変種変量生産への適用やカーボンニュートラル(炭素中立)化への対応などの製造現場が抱える各種課題を解決するソリューションを提案する。 中でも目玉は、人とロボットが協調する次世代のフレキシブルライン。人手で作業するべき工程とロボットで自動化するべき工程を状況の変化に合わせて柔軟に切り替えられるだけではなく、セル生産ユニットそのものも生産量の変動に応じて自在に追加したり削減したりできる。ライン構成の自由度が高く、製品需要の変動や作業者の流動化に柔軟に対応できるのが特徴だ。また、設備の異常や消費エネルギー量、工程間のロスを可視化するデジタル技術も備えており、ライン全体の最適な稼働状況を維持できる。
難作業を自動化
セイコーエプソンとエプソン販売(東京都新宿区、鈴村文徳社長)は共同で、「その難作業の『自動化』諦めていませんか? ~エプソンが解決します~」をテーマに出展する。 自動化を提案する難作業の一つが、外観検査だ。製品の傷や欠けだけでなく、色の違いや色むらなども同時に検出できる。通常のカメラでは微妙な色むらなどは判別できないが、色を定量的に解析できる独自開発の分光ビジョンシステムを生かしたソリューションだ。 軟らかい食品のハンドリングも披露する。食品仕様のロボットを使用し、食品の中でも特に軟らかい生八つ橋の箱詰めを自動化する。会場のデモでは生八つ橋に似せて作ったダミーを扱うが、実際に生八つ橋メーカーに納入が決まっているシステムだ。 その他、力覚センサーなども活用して「難作業の自動化」を提案する他、自動化を初めて検討する人向けにロボットの簡単操作をアピールする体験型展示や、省スペースを実現するシステムの展示も予定する。他にも、40年前に製造されたスカラロボット初号機の展示など、見どころは多い。「ロボットを事業の柱にするため、ブースの規模も前回の80小間から100小間に拡大するなど、かなり気合を入れている。難作業でお困りならぜひエプソンブースに来てほしい」と展示会担当者は話す。