[進化する物流vol.7]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その4】
2つのシステムで総合力訴求/日立グループ
日立グループは「物流センター×ロボティクス」を掲げ、物流センターの高度な自動化を提案した。日立製作所は昨年、知能ピッキングロボットを開発するKyoto Robotics(キョートロボティクス、滋賀県草津市、神田充啓社長)を買収して子会社化。また、19年に買収したロボットのシステムインテグレーターのケーイーシーと日立産機システムのシステムインテグレーション部門を統合し、今年4月に日立オートメーション(東京都千代田区、佐竹英夫社長)を発足した。会場では、グループの総合力を生かして2つのロボットシステムを披露した。 一つ目が、サイズがさまざまな箱をパレット上に積み付け、搬送するロボットシステムだ。パレットへの積み付けはキョートロボティクスの技術で、搬送を担うのは日立インダストリアルプロダクツ(東京都千代田区、小林圭三社長)のAGV「Racrew(ラックル)」だ。 同システムでは、パレットラックのような構造物と昇降機構、ラックルを組み合わせ、立体的な保管を提案する。パレットを搭載したラックルがそのままパレットラックの上段に行ければ、パレット型自動倉庫のような機能を果たせる。 もう一つのロボットシステムが、ティーチレスのピース・ピッキング・システム「AIROBO(エーアイロボ)」だ。樹脂コンテナから物を一つ一つ取り出し、別の容器に移し替える作業を自動化する。ドラッグストアの物流センターをイメージしたデモで、各製品を必要な数量だけ各店舗向けの箱に入れていく。爪で挟む把持と吸着を組み合わせたハイブリッドハンドを搭載し、さまざまな商品に1台で対応する。事前の商品登録は不要で、AIにより最適な把持位置や吸着点などを自動で判断する。 「これまではトラックなどの輸配送を最適化するITシステムをメインに展示しており、物流センター向けのロボットシステムを目玉に据えたのは今回展が初めて。日立グループなら物流センターとその前後にある輸配送をともに高度化し、サプライチェーン全体の最適化に貢献できる」とスマートロジスティクス営業部の佐藤太樹部長代理は言う。