「日に新た館」で最新物流ソリューションを見よう/ダイフク高光巧一館長
ニーズに合わせた製品開発や展示を
――展示しているシステムは実際に販売できるものばかりですか? もちろんです。ただ、展示製品は技術をPRするために高性能を追求した仕様となっている場合もあります。例えば、展示製品の中に最高速度が毎分500mのスタッカークレーンがありますが、実際に販売したことはありません。仮に納入先の現場の倉庫の長さが30mだとすると、毎分500mに達する前に減速するため、性能が十分発揮できません。最高速度が速ければモーターも高価なので、そこまでの性能はいらない訳です。われわれが納入しているのは、顧客のニーズに対応した最適、最良のソリューションであり、コストを含めトータルでシステムを提供できるのも、わが社の強みの一つです。 ――物流業界の展望は。 物流の自動化は、「24時間365日稼働」と「人手不足対策」のニーズが需要を後押ししてきました。物は情報のように瞬時に移動させることができません。それでも、インターネット通販が一部で成功しているのは、やはり在庫を持っておき注文を受けたらすぐに出荷するから。つまり「早さ」が成功の鍵になります。大手企業に関しては、先ほど挙げたニーズへの対応が既にある程度進んでいますが、この需要はしばらく続くと思います。 ――日に新た館についてはどうですか。 これからも定期的に展示製品のリニューアルをしつつ、見せ方も工夫していきたいですね。現在のプランの中にはプロジェクションマッピングや拡張現実(AR)を活用する案がありますし、将来的には仮想現実(VR)や複合現実(MR)も取り入れたい。その他、会員制交流サイト(SNS)を意識して来館の記念になる撮影スポットを作る計画を練っています。1階ロビーのわが社のロゴの前で撮影する方が多いのですが、通行の妨げにもなりかねないので、写真映えするスポットを作りたいと考えています。もっとも、それを作っても、結局ロビーの前で撮影される方は多いと思いますが。それから、来場者数が近々50万人に達するので、記念イベントを開催する予定です。今は新型コロナウイルスの影響で外出するのが難しい状況ですが、落ち着いたら日に新た館に来てもらいたいですね。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)
※日に新た館は6月30日まで臨時休館、7月の見学についても予約受け付けを休止中(6月10日現在)