[注目製品PickUp! vol.98] 簡単操作の国産けん引AMR/エクセディ「Neibo」
国産AMRに大きな反響
ソフトの大元のデータを保管するクラウドは、国内にサーバーを置くサービスを採用している。データが国内にとどまるため比較的セキュリティーが高く、ネットワーク障害も起きにくいという。モーターやセンサーなど主要部品も国内メーカーの製品を採用しており、市場でも数少ない国産AMRの一つといえる。
同社が調達先を含め国産にこだわるのは、製品や事業に信頼性という付加価値を与えるためだ。近年、中国を筆頭に海外製AMRが市場に増えているが、修理に時間がかかったり、本体価格の割安感に比べて部品が高価なことも少なくない。急な事業撤退でサポートが打ち切られる場合もある。エクセディは自動車部品メーカーとして培った品質保証や試験の価値観を反映し、長い間安心して使えるAMRとしてネイボを開発した。
国産AMRへの反響は大きく、大手企業の工場や倉庫に導入され、公的機関の啓もう活動にも採用されている。これらの先行事例が契機となり引き合いが増加しているが、商談に対応する人員が不足するといううれしい悲鳴が上がっている。「今後AMR市場でシェアの獲得を狙うのであれば、代理店に入ってもらうべきだろう。今が事業の転換期と受け止め、検討を進めている」とネイボの販売を担当するソリューションセールスチームの紙谷圭太主査は話す。
「隣人」のように寄り添う
ネイボ開発の出発点は、労働人口の減少が続く中で、人と一緒に働くロボットを自分たちの手で作りたいという社内の声だった。自動化機器を導入しても必ずしも現場にフィットせず、やがて使われなくなるのはどの会社でもよくあることで、同社も例外ではなかった。その経験から、機能を売り切るのではなく、ユーザーと継続的に運用する製品として開発した。22年ごろに若手を中心とするチームが動き始め、23年ごろに正式にプロジェクト化。専用機やモノのインターネット(IoT)機器の開発、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)に携わった人材が集まり、当初7人ほどで始まったスタッフは現在16人を数える。
名前の由来は、「隣人」を意味する「neighbor(ネイバー)」と「robot(ロボット)」の組み合わせだ。大きな目は人をセンサーで認識すると相手の方向を向き、ロボットが自分を認識していることを直感的に伝える。「人と人がすれ違う時のようにアイコンタクトをする。導入先の従業員がネイボに愛称を付けたことで、現場で受け入れられやすくなった例もある」と紙谷主査。単に人の仕事を置き換えるだけではなく、一緒に働く存在にしたいとの思いを形にした。
現在はグループ会社の工場で、1tをけん引した状態での耐久試験を続ける。約2000時間の走行でも大きな不具合はない。今後は自動充電や台車の自動着脱、屋外走行への対応、マルチロボットの小型化などを検討し、「けん引AMRといえばネイボ」と認知される製品を目指す。

