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2025.10.15
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大阪・関西万博でロボットが存在感示す

遠隔ロボット溶接の体験に驚き

全く知識がなくてもPC操作だけでロボット溶接ができる

 システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の高丸工業(兵庫県西宮市、高丸正社長)は8月21日、「TEAM EXPO(チームエキスポ)パビリオン」で遠隔溶接ロボット「WELDEMOTO(ウェルデモート)」を展示。1日限りの出展ながら、多くの来場者が遠隔でのロボット溶接を体験した。

 

 ウェルデモート本体は西宮市の本社工場に設置し、パビリオンにはノートパソコンと拡張モニターを設置。公衆無線LANで接続した。高丸泰幸専務は「ウェルデモートの販売や普及には、工場側と遠隔操作する側の両方の理解が必要。一般の方に広く体験してもらえる意義は大きい」と手応えを語った。

 

 ウェルデモートの溶接体験には、小学生や女性、高齢者まで幅広い来場者が参加。マウス操作だけでロボットが動き、溶接をする技術に、驚きの声を上げたり感心する様子を見せた。「(溶接の経験がなくても)これほどきれいな溶接ができるとは」と驚く男性や、「この簡単な操作で仕事になるなら、やってみたい」と語る女性、「ゲームのようで面白かった」と笑う小学生など、軒並み好評だった。

 

 同社は、近畿経済産業局が主導する「関西ものづくり新選2025」で入賞した中小企業の一つとして出展した。同社の他に、物流機器メーカーの伊東電機(兵庫県加西市、伊東徹弥社長)も出展。小物や包装品向けの搬送モジュール「エフエヌローラ」を、直接手で触れられる形で展示した。

ロボットで旅行気分味わう

 山善は9月1日から15日までロボット&モビリティステーションで、台湾のテックマンロボットの協働ロボットを使った撮影システム「ロボットが撮るんです。」を展示した。ロボットが撮影した来場者の写真と日本国内の観光スポットの写真を合成し、その場でプリントアウトしてプレゼントする。観光スポットを訪れたかのような記念写真をお土産にするなどして楽しむものだ。テックマンロボットに標準搭載のカメラを使用する。

 

 来場者はブースに入ると、白紙のカードを1枚選びスタッフに手渡す。ロボットの前に立つとロボットが、背景写真に応じて最適な位置にアングルを調整し、撮影する。撮影システムの隣に設置された、獅子舞の装飾をまとって踊るロボットを鑑賞しているうちに写真がプリントアウトされ、出口で受け取る流れだ。ちなみに、獅子舞を踊るロボットもテックマンロボット製だ。

ロボット任せの撮影で、手軽に旅行気分を味わえる
できあがったサンプル写真を手に、報道向けに説明する山善の谷口文晶ロボティクス室長

 9月1日に実施した記者発表で山善のトータル・ファクトリー・ソリューション支社技術サポート部の谷口文晶ロボティクス室長は「撮影システムはエンターテインメント向けにロボットが活躍する将来像を、獅子舞ロボットは伝統芸能などの動きをロボットプログラムとして保存し技能の伝承に役立てる将来像を表現した」と話した。展示期間中は多くの体験希望者が列を作り、撮影を楽しんだ。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希、斉藤拓哉)

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