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2025.07.29
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[ロボットが活躍する現場 vol.48]社内で運用しやすい自動化を/ウエルダー北沢

代替わりをきっかけに

「自分たちで使うシステムだからこそ、協働ロボットでの内製化を選んだ」と話す北沢宗一顧問

 北沢顧問は2022年に牧野社長が就任したのをきっかけに自動化システムの導入を検討し始めた。業務の引継ぎにかかる期間を3年と設定し、その最終年度中に自動化プロジェクトの遂行も盛り込んだ。

 自動化の対象になったのは「誰かが必ずやらねばならないが、付加価値が小さい工程」だ。北沢顧問は自身が同社を継いだ約40年前からこうした工程を省力化できないか考えてきた。「人材難や従業員の高齢化を背景に自動化は急務だった。ただ、付加価値が小さい工程の自動化という観点から、大がかりな投資が難しく内製化を選んだ」と明かす。

 一方、「コストの問題だけではない。自分たちで使うシステムだからこそ現場の知恵を織り込み、維持や刷新をし続けられる使いやすいシステムを作りたいとの思いがあった」と力を込める。

 ロボットの導入にはアフレル(福井市、小林靖英代表取締役共同最高経営責任者)が作成したロボット用の教材を活用した。操作方法や初級のプログラミングは教材で学び、ロボットの連携、エンドエフェクターの選定など応用的な使い方は同社のサポートを受けて完成させた。

ブラックボックスにしない

目印で配線の種類や配線先を可視化した

 北沢顧問は今後、社内の誰もが円滑に自動化システムを運用できる体制作りを目指す。

 システムに使われている部品の多くはホームセンターなどで市販されており、容易に更新や変更ができる。また、電子技術の専門知識がなくても結線状態が直感的に分かるように、それぞれの機器をつなぐ配線にラベルで目印を付け、配線の種類や配線先を可視化した。

 加えて、自動化システムの運用方法をまとめた社内マニュアルの作成も進めている。既にロボットの動きやプログラムの内容について社内全体で理解を深められる好循環が生まれているという。

 北沢顧問は「自動化システムをブラックボックスにしてはいけない。DOBOTのロボットはビジュアルプログラミング言語の『Blockly(ブロックリー)』を使えば直感的にプログラミングできる。これから社内で新たな自動化のアイデアが次々と湧き出て、誰でもシステムを構築できるようになれば」と今後に期待する。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)

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