[注目製品PickUp! vol.81]ロボットハンド用触覚センサーで、手作業のような繊細さを/XELA Robotics「uSkin」
部品組み立てや梱包作業に
XELA Roboticsは2018年に、早稲田大学からスピンアウトして設立された。設立から7年ほどたち、uSkinの受注はこれまで国内外合わせて50件を超える。研究用に購入するユーザーが多いが、実運用のケースも出てきており、ある大手企業はグリッパー用として一度にuSkinを24個も発注したという。 同製品を活用して自動化できる作業は多岐にわたるが、同社は特に自動車部品の組み立てや物流倉庫の箱詰めなどに提案を強化する。「uSkinを使えば一つのハンドで、サイズや形状、重さなどの異なるワークに対し、それぞれ最適な把持力でつかめるようになる。部品の組み立てや商品の箱詰めは、多種多様なワークを繊細に取り扱う必要があり、まさにuSkinの特徴を生かせる」とアレクサンダーCEOは説明する。 過去には農作物の自動収穫に関する引き合いの他、センシング用途で服飾やゲーム業界からの問い合わせもあるなど、幅広い産業から注目を集める。
目指すは速度と密度の向上
今後のuSkinの課題は大きく2つ。1つは高速化で、力を検出して外部に出力するまでの速度を、現状から2倍に引き上げることを目指す。もう1つは、配置するセンサーの面積当たりの密度を高めることで、より精密なセンシングの実現を目標に掲げる。いずれもすでに十分なレベルにあるが、さらなる向上に取り組むことで新たな引き合いがあった際、要望に応えられる可能性を上げたいという。 アレクサンダーCEOは「高速化や高密度化を今年中に達成したい。ソフトの機能についても、ワークの変形の検知や把持が成功するかの予測なども実現できるよう、開発に臨んでいる」と語る。
(ロボットダイジェスト編集 水野敦志)