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2024.09.03
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[SIerを訪ねてvol.47]時計製造の技術を他分野にも/セイコーフューチャークリエーション

FA事業の活発化を

販路を広げたいと意気込む阿須賀拓営業課長(=写真左)

 ルーツとなったセイコーグループの自動化への取り組みの歴史は長い。1960年代に時計製造を自動化したことが始まりだ。当初はグループ内向けが中心だったが、徐々に外販の比率を増やし、顧客から寄せられる相談に応えていくことで技術力を伸ばしてきた。  セイコーフューチャークリエーションはセイコーインスツル(千葉市美浜区、遠藤洋一社長)などのFAシステム事業部門や生産技術部門などを集約し、2022年に設立された会社だ。そして24年4月にはセイコータイムクリエーション(東京都江東区、滝沢観社長)のFA事業を統合した。天蔵部長は「FA部門の統合であらたな化学反応を起こし、新領域を開拓していく」と語る。

 また、同社はこれまで顧客の要望に合わせてシステムを開発してきたが、近年は仕様を決めてパッケージ化したシステムの提案にも力を入れる。  パッケージシステムの比率を増やす取り組みとして、最近ではコンビニなどで売られるサンドイッチ用の三角サンドイッチ袋詰め装置を開発した。これまで精密分野に携わってきた同社が食品製造装置を開発するのは初めてのことだ。  この装置は重ねた正方形のサンドイッチを切断し、袋詰めする一連の作業を一つの装置で完結できる。細かなロボット動作の制御や画像認識などの技術を生かしたシステムで、展示会での評判もいい。阿須賀拓課長は「これ以外にも新たな製品の開発を推進中だ」と話す。  統合されたFA部門ではスタッフが持つそれぞれのルーツを生かし、新たな領域への展開を目指す。「時計の量産設備の開発で培った技術を生かして顧客の困りごとに向き合い、社名に“フューチャークリエーション”とある通り『未来を創る』お手伝いをしていきたい」と天蔵部長は語る。 

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤安紀)

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