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2021.09.24

[SIerを訪ねてvol.20]AI×ハード技術で人手の「オキカエ」提案/ASTINA

ロボットシステムを設計、製作するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」。今回は、人工知能(AI)なども駆使した工場向け自動化システムに注力する、2017年創業のベンチャー企業ASTINA(アスティナ、東京都墨田区、儀間匠社長)を取り上げる。今年4月からは産業用ロボットや周辺機器などをセットにした自動化システム「OKIKAE(オキカエ)」シリーズを展開する。

中小企業でも手が届く

 アスティナは、ハードウエアの設計からソフトウエアの開発までを自社でこなせるSIerだ。
 モノのインターネット(IoT)機器を受託開発する「IoTデバイス開発」、工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)向け自動化システム・ロボットシステムを開発する「AI/ロボティクス開発」の2事業を手掛ける。
 
 「AI/ロボティクス開発」事業の強みは、独自のアルゴリズム(データ処理方法)を採用したコストパフォーマンスの高いAI機能付きシステムを提供できること。

ばら積みされた箱内の玉を整列させるロボットシステム

 儀間社長はもともと、鉄鋼メーカーの設備設計担当やコミュニケーションロボットのハード部門の開発責任者などの経歴を持つ、ハードの設計に強みを持つ技術者だ。「他分野の設計で培ったノウハウを応用し、単軸ロボットなども駆使しながら生産性の高いシステムを構築するのが得意」という。
 一方、AI機能も含めたソフトの開発を主導するのが、共同創業者の白田竜二執行役員だ。白田執行役員は画像認識ソフトやIoT機器の開発で豊富な経験を持つ。

 ハード技術とAIを含めたソフト技術の両方を自社で保有するため、AI機能付きのロボットシステムを低コスト・短納期で提供できる。レンズなどは購買品だが、ビジョンセンサーなどの周辺機器も自社で開発する。

 「主なターゲットは中小企業。AIを駆使した自動化システムは通常かなり高額で、大規模な投資ができる大企業でなければ導入が難しいが、わが社のシステムなら中小企業でも手が届く」と儀間社長は話す。

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