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2024.07.24
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[SIerを訪ねてvol.45]スムーズな導入のために凝らす工夫/フレアオリジナル

DOBOTから代理店の打診

ラテアートも自動でできるバリスタロボット

 同社の創業は2008年。装置メーカーに勤めていた田中社長が、独立して27歳で立ち上げた。1年目はなかなか仕事もなく苦労したが、化粧品関係の製造装置の受注を得るなどして徐々に業績が伸び、4年目の12年に法人化した。専用機だけでなくロボットシステムの依頼も増え、各メーカーのロボットを扱えるようになった。  その後21年に、DOBOTから連絡を受けた。「SIerの代理店を探していたようで、直接メールで打診があった。他の中国製ロボットとも比べたが、DOBOT製が最も使い勝手が良いと感じ代理店になった」と田中社長は振り返る。  DOBOTのCRシリーズを使い自動化システムを構築する他、翌年にはCRシリーズ2台でコーヒーの提供を自動化するバリスタロボットを開発し注目を浴びた。カップにコーヒーを注ぐだけでなく、ミルクの泡で模様を描くラテアートも自動でできるのが特徴だ。22年に展示会で披露して以来、複数の企業や団体から引き合いがあったという。

協働ロボットの用途を広げる

「重量物の搬送など協働ロボットでさまざまなニーズに応えたい」と田中社長

 今後は協働ロボットを使った重量物の搬送ニーズに応えるべく、ワイヤで重量物をつり上げるエアバランサーとCRシリーズとの組み合わせの提案も強める。今年7月に開催された展示会ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2024では、共同出展した日立重機設計(茨城県日立市、吉田信社長)のエアバランサー「ミスター・キャッチマン」を使い重量物の搬送デモを披露した。  田中社長は「エアバランサーを使い協働ロボットで重量物を運べれば、大型のロボットのように広い設置スペースを要することもなく、より安全。協働ロボットの用途をさらに広げられる」と話す。  溶接や研磨をはじめ同社が開拓を目指す分野は多い。「ワークの位置や形状のずれを把握し、ロボットの動作に補正をかけられるシステムを開発している。溶接や研磨など、従来難しかった作業の自動化も実現できるようになる。他にも防じんや防水性に優れるタイプのDOBOT製ロボットを使い、食品産業向けにも提案したい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)

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