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2020.10.20

[注目製品PickUp!vol.30]床から棚の上まで手が届く/岐阜機械商事「キャリスター・ロボ」

岐阜機械商事(岐阜県岐阜市、関谷治頼社長)は、電動昇降機に協働ロボットを取り付けたロボット台車「キャリスター・ロボ」を発表した。開発したのは機械設計や製作を手掛ける子会社のアイビーデザイン(岐阜県可児市、同社長)。台車に乗せることで自由に移動させられ、昇降機能を使えば、床から高所に至るまで、広い範囲にロボットハンドの先端が届く。「台車と組み合わせることで、中小企業でも気軽に自動化できる」と関谷社長は強調する。

台車とロボの組み合わせ

 岐阜機械商事の子会社、アイビーデザインは昇降台車を製造するタイムオートマシン(岐阜県関市、小椋敏彦社長)と共同で、電動昇降台車と協働ロボットを組み合わせたロボット台車「キャリスター・ロボ」を開発した。岐阜機械商事が今年の11月から販売する予定だ。これまで製造ラインの一部として産業用ロボットを扱うことはあったが、周辺機器とパッケージして商品化したのは初めてのこと。

 キャリスター・ロボの開発を機に、岐阜機械商事は同社可児営業所で9月14日から30日まで体験会を実施した。来場者からは、製造現場で使用することを想定した、具体的な質問や要望が寄せられたという。

必要な時に、必要な場所へ

 キャリスター・ロボは、ロボットの導入がまだあまり進んでいない中小企業でも気軽に自動化できることをコンセプトに開発された。台車に載っているため、どこへでも移設が可能だ。1カ所に固定して使うシステムと違い、必要ない時は別の場所に置いておけばいいため、邪魔にならない。カメラを標準搭載する協働ロボットを採用しており、簡単に操作できるという。必要な時に、必要な場所で使用可能だ。

 さらに台車の昇降機能でロボットの位置を上下に動かせるため、床から1850mmまでの広い範囲の作業に対応する。昇降機は降ろした状態か、上げた状態の2パターンのみ。ロボットと昇降機を同じコントローラーで制御でき、連動させられる。
 「協働ロボットをどのように使うか。既存の製品同士を組み合わせ、応用の幅を広げる」と関谷社長は意気込む。

  • 床に置かれた物でも簡単につかめる

  • アームを伸ばせば1850mmまで届く

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