[注目製品PickUp! vol.62]小型の協働ロボットでも高く積み上げられる/リナック「ELEVATE」
ユーザーの意見をじかに聞く
同社は40年以上にわたり電動シリンダーの開発と製造を続けており、DCモータータイプの電動シリンダーのシェアはトップクラスという。欧州の電動シリンダー市場で高いシェアを誇り、国内でも存在感を強めている。主な分野は「医療・介護機器」と「昇降デスク」、「産業機械」、「家庭用家具」の4つ。内訳としては医療・介護機器と昇降デスクの割合が高いが、近年は産業機械が伸びているという。
小野マネージャーは「さまざまな生産現場で省力化や省人化、高効率化などのニーズが高まっており、産業機械向けシリンダーの売り上げが10年ほどで急速に増えている。農業機械や建設機械、搬送ロボットなどに向けた製品群があり、特に協働ロボット関連の提案に注力する方針で、ELEVATEはその主力」と説明する。
またユーザーと直接やり取りする点も同社の特徴の1つという。「代理店や商社を介さないのが、デンマークでは一般的。技術的な問い合わせや製品の仕様の希望など、ユーザーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の意見をじかに聞いて現場の省人化に取り組んでいる」。
国内で認知度向上を
今後の課題として、国内での認知度向上をまず挙げる。小野マネージャーは「協働ロボットを導入しているユーザーはもちろん、ロボットSIerにもアピールしていく必要がある。パレタイジングでより多くの物を積み上げるために、縦方向のスペースを活用したいというニーズはあるため、ELEVATEのメリットなどを伝えたい」と話す。
また今後は同製品に組み合わせられるロボットの対象機種も拡充する。現状対応するメーカーの他の機種や、別のメーカー製のロボットへの対応も計画中だ。「ロボットメーカーやSIerと協力体制を強化し、生産現場の省人化、省力化に貢献していきたい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)
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