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2023.06.05

[特集 工場物流を刷新せよ!vol.3]マテハンのものづくりから運用提案まで、総合的なSI力に優位性/村田機械犬山事業所

身内からもフィードバック

工作機械の組立工場で稼働するケース自動倉庫。各種工作機械の生産ラインへの部品供給フローを一元化した

 根尾室長にまず案内されたのは、約1500㎡のL&Aソリューションセンター。クロスベルトソーターやシャトルシステム、天井走行搬送システム、各種無人搬送車(AGV)や無人フォークリフトなど多彩なマテハン機器が設置されており、まるで小規模な展示会に来た感覚だった。ここでマテハン機器の実証実験を重ね、新製品や新技術の開発に生かすという。

 また、L&A事業部が手掛けるマテハン機器は客先だけではなく、自社の他事業部の製造現場などで使われるのも大きな特徴だ。「身内からの厳しいフィードバックを製品開発に反映できる体制も強みの一つ」と根尾室長は語る。

 実際の活用事例として次に案内されたのは、工作機械の組立工場。パレット自動倉庫、ケース自動倉庫、シャトルシステムが稼働しており、小型部品から中型部品まで保管する。工作機械の受注内容に合わせて自動倉庫から必要な部品をピッキングステーションまで出庫し、作業者が仕分けた後にフォークリフトなどで生産ラインまで搬送する流れだ。

MGPCにも自動倉庫を導入し、保守部品や消耗品を在庫する。稼働状況を監視するモノのインターネット(IoT)システムなども搭載

 2018年に稼働したパーツセンター「ムラテック・グローバルパーツセンター(MGPC)」でも自社製品が活躍している。長尺物用の自動倉庫をはじめ、パレット自動倉庫や小型部品向けのバケット自動倉庫を計7基使用し、マテハン機器や工作機械、情報機器などの保守部品や消耗品を在庫する。

 パーツセンターだけあって事業継続計画(BCP)対策も万全で、MGPC内の自動倉庫には実績が豊富な地震対策ソリューションを導入している。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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