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2022.12.16

連載

[ロボットが活躍する現場vol.23]初のロボット導入は協働パレタイズパッケージ/ヤスダヨーグルト

近年大きな注目を集めるのが、食品産業でのロボットの活用だ。連載企画「ロボットが活躍する現場」のvol.23では、今回初めてロボットを導入した食品メーカーの事例を取り上げる。ヤスダヨーグルト(新潟県阿賀野市、倉元三八子社長)は、協働ロボットを使ったパレタイズシステム「CoboPal(コボパル)」を今年1月に導入し、ロボット化の第一歩を踏み出した。「導入当初は苦労やトラブルもあったが、今は大きな成果が出ており、さらなるロボット導入も検討している」と担当者は語る。

地元で人気のヨーグルト会社

生乳を使ったコクのあるヨーグルトが人気

 ヤスダヨーグルトは、新潟では有名なヨーグルトメーカーだ。
 同社がある阿賀野市(旧安田町)は、新潟県の酪農発祥の地と言われる。同社の設立は1987年。牛乳の生産調整で搾乳しても販売できない事態になった際に「酪農家が苦労して育てた乳牛の命ともいえる生乳をもっと生かせないだろうか」と、酪農家の有志9人が設立した。

ヨーグルトを使ったワッフルなども提供するY&Yガーデン

 同社はヨーグルトを各地のスーパーマーケットなどに出荷するほか、新潟駅や長岡駅の駅ビルにある直営店でも販売する。工場にも直売店が併設され、工場の向かいにある直営施設「Y&Y(ワイワイ)ガーデン」ではヨーグルトを使ったワッフルやソフトクリームなども提供する。Y&Yガーデンは地元の人気スポットで、取材日は平日だったが、午前中から親子連れなど多くの人でにぎわっていた。

 工場ではヨーグルトの製造や充填(じゅうてん)の工程は以前から専用設備で自動化してきたが、箱詰めした製品を出荷用のカゴ台車に積む作業は人手に頼っていた。同社は今回、この工程をロボットシステムで自動化した。

3種類のカゴ台車にどう対応?

FAMSが開発した協働パレタイズシステム「CoboPal」を導入

 ヤスダヨーグルトが自動化したのは、900gの飲むヨーグルトが6本入った約6kgの箱をカゴ台車に積み上げる作業だ。

 導入したのは、安川グループのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のFAMS(ファムス、新潟県見附市、森田卓寿社長)が開発したパレタイズ用パッケージシステム「CoboPal(コボパル)」。安川電機製の20kg可搬の協働ロボットを使用したシステムで、スペースに余裕がなく周囲に人も多い今回のような現場に最適だった。

カゴ台車の高さに合わせて動作を補正

 苦労したのが、カゴ台車の底面の高さの違いだ。同社が使用するカゴ台車は3タイプあり、底面の高さがそれぞれ違った。全く同じ動作で作業してしまうと、底面が低いカゴ台車の時に、箱を乱暴に落とすことになってしまう。
 そこで、パッケージシステムに底板の高さを検出するセンサーを追加。底板の高さに合わせて動作を補正することで、この問題を解決した。

「積み付けを自動化したことで、従来は積み付けに取られていた人手を他の作業に回せる。ロボット1台の導入で、積み付けと、その他の作業の2人分の人手が捻出できるので、人手不足を改善する効果はとても大きい」と業務部の村田誠主任は話す。

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