生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2022.10.21

需要伸びる小型部品向けに自動化提案を拡充/ヤマト

SEからSIerへ

ワークの乗ったテーブルを揺らし、重なっていないワークをピッキングする

 「ここ10年で産業用ロボットの需要が一気に伸びた」という。創業当初から搬送装置として自動化システムを開発していた流れから、自然と産業用ロボットを組み込むようになり、本格的にSIerとして取り組み始めた。

 昨年4月に発売した小型部品向けの「ランドフィーダー&ロボットシステム」は垂直多関節ロボットと同社が開発したパーツフィーダーを組み合わせた。パーツフィーダーの先にあるテーブルを揺らしてワークの重なりをなくし、2次元ビジョンセンサーでワークの向きを判断してピッキングする。「パーツフィーダーは、顧客の要望に合わせて職人が1個1個手作りしている。各種端子や目薬のふたなどのピッキングに対応する」と語る。

標準化でさらなる普及を目指す

ピッキングだけでなく垂直多関節ロボットを使った外観検査システムも提案する

 「パレ蔵をはじめパッケージで販売する製品もあるが、どれも以前は顧客の要望に合わせて個別に設計、開発していた」と話す永田社長。パレ蔵はローディング機能付きのパレットチェンジャーの販売が好調でノウハウを蓄積できたため、仕様を標準化してパッケージ製品として発売した。その他、ランドフィーダー&ロボットシステムや外観検査システムも標準化に成功した製品だ。「標準化すれば製作コストを抑えられ、顧客が導入に踏み切りやすくなる。パッケージ化やモジュール化には引き続き力を入れる」と今後を見据える。

 現在売り上げ割合が最も高い自動車業界向け以外の業界にも目を向ける。販売を統括する営業本部の佐藤伸彦営業部長は「三品業界(食品・化粧品・医薬品業界)にも伸び代を感じる。展示会への出展などの営業活動を通じて導入につなげていきたい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

TOP