[特集MECT2021 vol.8]自動化のポイントは各社各様
オーストリアの研磨ユニットを初披露
柳瀬(1D55)は、同社が代理店を務めるオーストリアのFerRobotics(ファーロボティクス)のロボット用研磨ユニットを展示した。 通常、ロボットで研磨する際は、ティーチングで多数の通過点を細かく設定する必要があるが、ファーロボティクスの研磨ユニットはワークに倣って最大35mm~98mm伸縮する。そのため細かい位置合わせが不要で、ティーチングの手間を大幅に軽減できる。 押し付け力も精密に自動調整でき、押し付け力を高めることもできる。会場では、ロボット本体では約11.7N(1.2kgf)で押し付けている圧力を、研磨ユニットで49N(5.0kgf)に合わせるデモを披露した。「MECT2021で初披露した製品で、引き合いも多く大きな反響があった」(製品担当者)。
穴計測を自動化する
ダイセイ(1A08)は、不二越の協働ロボットを組み込んだ自動計測システムの試作機を出品する。ロボットで穴にゲージ(検査器具の一種)を挿入して検査する。高江泰三製品開発本部長は「多くの来場者にニーズを聞き取りでき、製品化に向けた開発方針が間違っていないことを再確認できた」と言う。 三菱商事テクノスと共同出展したシグマ(1C16)は、レーザー傷検査装置「ANALYZER(穴ライザー)」を使った穴の検査の自動化を提案する。ロボットや自動機の先端に取り付けるユニットで、「穴ライザーⅢ」では穴の内側の欠陥を検出するのみだったが、今月発売の新製品「穴ライザーⅤ」では、欠陥検査に加えて穴径と真円度の同時計測を実現する。 「従来は欠陥検査の後に穴径や真円度を測っていた顧客も多く、穴ライザーⅤは待ち望まれていた新製品」とセールス担当の王海蓮氏は言う。
金網も透明樹脂パネルも選べる安全柵
自作ロボット使った最新サービス
テクノ21グループ(1A28)は、自作ロボットを使った生産受託サービス「ロボット工場受託サービス」のPRに注力する。自作ロボットの開発からラインの構築、製品の生産までを同社が一手に引き受け、顧客の生産を代行するサービスだ。 顧客は製品の生産にかかった工賃だけを支払えばよく、ロボットシステムの導入に伴う初期費用や設置スペースは不要。自社工場にロボットを導入してなくても気軽に自動化を実現できる新しいサービスとして、同社は動画などを交えながら紹介している。上村照樹社長は「『こういうサービスがあるのか』と驚く来場者も多く、反響があった」と話す。 次回展は、2023年10月に開催予定。またMECTのない来年は、MECTと同じくニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)主催、愛知県機械工具商業協同組合(理事長・水谷隆彦ミズタニ機販社長)共催で、6月30日~7月2日に産業用ロボットや自動化システムの専門展「ロボットテクノロジージャパン」を開催する計画だ。
――特集MECT2021おわり (ロボットダイジェストMECT取材班)
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