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2021.08.16
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[注目製品PickUp! vol.37]使いやすくて日本製! 多品種向けフィーダー【前編】/鈴野製作所「SVFシリーズ」

傾斜や前後に大きく揺する機能も

テーブル先端を上げ下げできる(写真は下げたところ)

 SVFシリーズのもう一つの大きな特徴が、テーブルを傾斜させる機能や、前後に大きく動かす機能があること。  ±3.5度の幅で、テーブル先端を上げたり下げたりできる。傾斜を付けて振動させることで、部品をテーブル先端に寄せる、手前に寄せるなど、自在に動かせる。また、テーブルを前後に大きく動かす機能を使えば、微振動だけでは動かしにくい、調味料が入った小袋なども扱える。  「ゴムのリングなど、摩擦の大きいものは通常の微振動だけではうまく動かせないが、傾斜機能と前後に大きく動かす機能を組み合わせれば、摩擦の大きい物にも対応できる」とハードウエア設計を担当した鈴野真樹氏は語る。これら機能を実現する構造については、特許も出願中だ。

 これらの機能を使えば、余った部品を手前に引き寄せ、自動で回収することもできる。「余った部品の回収が実は、さらなる自動化を進める際のボトルネックになっていた。回収が自動化できれば、無人搬送車などと組み合わせ、部品の種類を変えながら長時間の無人加工が可能になる」と鈴野真樹氏は言う。

顧客の声に応え、ラインアップ拡充

 SVFシリーズの第一弾は、今年2月に発売したテーブル幅100mの「SVF-100」。2月にオンライン上で開かれた展示会「テクニカルショウヨコハマ」に出展したところ好評で、代理店やユーザー企業から複数の引き合いや反響が来たという。  展示会で得られた顧客の声などを反映させ、7月にはテーブル幅150mmの「SVF-150」も発売した。当初は小物の工業部品を狙って開発したが、それだけでなく調味料の小袋といった食品関連、化粧品ケースに付属する化粧道具など、三品産業(食品・化粧品・医薬品)からの引き合いも増えている。

テーブル上を分ければ、2種類の物を同時に扱える

 「区画を分けることで2部品を同時に扱えるテーブルなど、オプションの拡充も進めている。もう少し大きい物をこのフィーダーで扱いたいとの要望もあるため、テーブル幅300mmのタイプも開発したい」と鈴野真樹氏は話す。  後編では、SVFシリーズ開発の経緯や、開発時のエピソードなどを紹介する。同社は50年以上の歴史を持つが、ロボット関連の機器を発売するのはSVFシリーズが初めて。単なる新規事業ではなく、社運を賭けたプロジェクトとしてSVFシリーズに取り組む。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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