食品、医薬品製造を省人化! 多彩なロボットシステム提案【その3】
AIで画像認識が可能に
産業自動化向けの人工知能(AI)システムを開発する米国OSARO(オサロ)と、同社技術を応用したシステムを販売するイノテックもインターフェックスに出展。AI搭載のロボットシステム「ピースピッキングステーション」を展示した。コンテナの中に乱雑に積まれた物を認識してピックアップする、ばら積みピッキングのシステムだ。
光を反射する光沢のある物、透明な物、不定形な物は、画像認識がしにくいと一般に言われている。これらの最たる物である銀色のアルミパウチ袋、透明な袋に入ったマスクを会場ではピッキングした。
アルミパウチ袋を満載したコンテナは全面が光沢のある銀色で、袋と袋の境目の判別が難しい。また、透明な袋に入ったマスクは、あえて折ったり、品質確認の紙を外側に出すなどして見た目を変えた。これらを適切に認識し、ピッキングして見せた。
「AIで自動認識するため少量多品種生産に適したシステムで、思った以上の反響があった」とOSAROの河本和宏ソリューションエンジニアリング担当ディレクターは言う。
「コンパクトでキャスター付き。屋台のように、簡単に移設できるようパッケージ化した」とイノテック海外事業推進室の布施木裕之課長補は言う。
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他にもフードテックジャパンやインターフェックスウィークの会場には、ロボットシステムやロボット関連製品の展示が見られた。
食品、医薬品、化粧品のいわゆる「三品産業」では、自動車や電機業界ほどロボット導入が進んでいないが、「ロボットシステムへの来場者の関心は近年高まっている」と出展者は口をそろえる。三品産業向けの提案が充実してきたことで、今後徐々にこれら産業でもロボット導入が増えそうだ。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)