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2019.06.28
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[SIerを訪ねてvol.9]独自の教示レス研削システムを開発!人材力で差別化を【前編】/三明機工

ティーチングが不要だから一品ものでも使える

 最大の特徴が、ティーチングを不要にしたこと。ティーチングには手間がかかるが、一度動作を覚えさせればその動きを何度でも繰り返せるため、ロボットは同一形状の製品が多数ある場合に使うものとのイメージがある。  しかし、三明機工のグラインダー掛けロボットでは、ビジョンセンサーやレーザーセンサーで鋳物の形を認識。その形状に基づいて研削したい範囲を指定するだけでロボットの動作プログラムを自動で作成し、複雑な曲面にも対応する。人がロボットに動作を教え込む必要はないため、一つ一つ形が異なる大型鋳物でもロボットで研削できる。

開発力で差をつける

「ソフトウエアは自社で開発した」と久保田和雄社長

 ビジョンセンサーで取得した画像を解析して形状を求め、その形状に合わせて指定された範囲の動作プログラムを自動生成する。こうしたソフトウエアは自社で開発した。  「画像を取り込むカメラ自体はそれほど高価ではないが、画像解析ソフトまで含めると1000万円ほど掛かってしまい、それでは中小企業は導入できない。そこで画像解析ソフトを自社開発し、市販のカメラと組み合わせることでコストを抑えた」(久保田社長)。  このシステムは今年から本格的に提案し始めたが、既に複数の引き合いがある。  同社の社員数は105人で、技術者は45人。内訳は、機械設計が30人、電気制御が6人、ティーチング担当が5人、開発が4人。開発担当者が画像解析ソフトウエアなどの開発を担っており、この部門をさらに強化する考えだ。  「顧客から言われたことをこなすだけでは特徴のない企業になってしまう。そこでダイカスト関連装置や液晶パネル製造装置の自動化など、誰にも負けない分野を戦略的に作り、差別化を図ってきた。パッケージ化の取り組みもそうした一環で、グラインダー掛けロボットの他にもさまざまな製品を今後開発していく」と久保田社長は話す。

――後編へ続く (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根)

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