[注目製品Pick Up!vol.2]業界最大35kg可搬はだてじゃない/ファナック「CRシリーズ」【前編】
既存の現場を変えずに導入できる
まずは最大機種からラインアップ
可搬重量の大きなものは難しい
「協働ロボットは、可搬重量の大きいものの方が開発が難しい」と稲葉専務は言う。 協働ロボットは人に接触した場合、即座に停止する必要があるが、重い物を持てるパワーと、少し触れただけで止まる敏感さを両立することは難しい。 35kg可搬の協働ロボットに適した感度のセンサーが世の中に存在していなかった。そこで、必要なセンサーの開発から自社で取り組み、数年間かけて製品化した。 センサーの感度を上げると、電気的なノイズを拾いやすくなる。また、製造工程も複雑になる。「これら課題の解決に、長年の自社のセンシング技術、電気技術、製造技術が生かされた。CRシリーズの開発はロボット事業本部だけでなく、制御装置を手掛けるFA事業本部、加工機のロボマシン事業本部、そして製造統括本部が手を組んでの全社プロジェクトだった」と稲葉専務は話す。 「35kg可搬の協働ロボットはまさに全社一丸の『ワンファナック』で開発した商品」と稲葉専務は自信を見せる。
――後編に続く (ロボットダイジェスト編集部)