[ショールーム探訪vol.20]人や物、コトをつなげる結節点/三井物産マシンテック「Industrial Robot Hub」
ハブ=結節点として
大型モニターなども用意し、動画を使ったプレゼンなどもできる。ミーティングスペースも用意し、技術スタッフが常駐する。プライベートショーやセミナーの実施も見据える。 これまでイベント開催やロボットをトラックで顧客先に持ち込むキャラバンなどはやっていたが、ショールームの設置は機械を含めて同社として初の試み。 「早くもその役割の大きさを実感している。単純に、顧客との会話や接点が増える」と片岡社長は明るく語る。 また、予約時間より早く到着した顧客が、前の時間帯の顧客と一緒に見ながら交流を深めるなど、まさに「ハブ(結節点)」としての機能を発揮する場面もあるという。 まだ始めてはいないが、今後の可能性としては、産学連携の研究開発の場としての利用も見据える。例えば近郊の大学と、期間を決めて研究開発に取り組むなどだ。 「アクセスが良く利便性が高い。情報共有や勉強など啓もう活動的な場としても機能する。何より気軽に体験してもらえるのが大きな利点」と片岡社長は言う。
可能性、チャンスは大きい
IRHの使い方として例えば、東京ビッグサイトで国際ロボット展(iREX)や日本国際工作機械見本市(JIMTOF)などの展示会があればそこに来た顧客に寄ってもらうなど、有機的な組み合わせもできるだろう。 同社は今後3~5年の中期的に、ロボット案件を現状の5倍まで伸ばす予定だ。「最初はじっくり取り組み、ある時グッと需要が伸びるもの。今はじっくりの時」と、片岡社長は慌てずに構える。 重要視するのは、顧客のニーズに応えることだ。そのためのマーケティングの場、共創の場としてIRHを活用する。「製造現場へのロボット普及はまだまだ。しかし、それゆえに最初の1台で顧客に有効性が伝われば、風穴を開けられる。チャンスは大きい」と片岡社長は意気込む。 来場目標としては、毎日、午前1組・午後1組ほどのペースで来場者を受け入れること。現状でもそれに近いペースを刻んでいる。 IRH発の情報発信も将来的には視野に入る。また、他社と協力して仲間を増やし、できることを広げる方向性も模索する。
(ロボットダイジェスト編集部 芳賀崇)
[取材記者から] モノレールに乗って高層ビルの間を抜け、水辺の景色を気持ちよく眺めながら駅を降りた。「こんなしゃれた場所に、本当にロボットのショールームがあるのかな」とも心の片隅で思いつつ IRHに到着。そんな疑念が吹き飛ぶくらい、落ち着いた感じで周りになじんでいた。アクセスよく便利に、ちょっとした異空間を味わえる場所でもあるなと、変に感心してしまった。