フードテック展でロボットに脚光【後編】
仮想空間で高精度に試運転/愛電
FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)機器商社の愛電は、米国ロックウェルオートメーションのソフトウエア「EMULATE(エミュレート)3D」を紹介した。 コンピューター上でロボットやその他機器の配置などを確認できるだけでなく、仮想空間でシステムを高精度に試運転する「バーチャルコミッショニング」が可能だ。会場では仮想空間のロボットシステムと実際のデモ機が同じ動きをする様子をアピールした。 「FAで培ったノウハウを生かし、食品産業の自動化を提案している。食品産業の自動化への関心は高く、手ごたえはとても良い」と経営企画・戦略室イノベーションセールス課の草野孝司特命プロジェクト担当は言う。
とんかつを協働ロボットが揚げる/Cobotsys
日本市場への参入を図る海外のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)も、フードテックジャパンに出展した。韓国スウォン市のCobotsys(コボシス)は、とんかつを揚げる協働ロボットシステムを展示した。 複数の針を交差させるように突き刺して把持するニードルグリッパーで衣をつけた豚肉を持ち上げ、油に投入。揚がったら、アーム先端を金属製の網に持ち替え、油から取り出す。「日本向けに提案するのは今回が初めて。このシステムをとんかつチェーン店などに提案したい」と同社担当者は言う。
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他にも、数社が産業用ロボットを組み込んだ自動化システムを展示した。また同時開催の「スマートレストランEXPO」では、飲食店で使用する配膳ロボットの提案が目立った。 次回展は23年3月に大阪市住之江区のインテックス大阪で開催予定。大阪では「再生医療 EXPO」や医療品・化粧品の研究・製造展「インターフェックス」と同時開催する。――終わり (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)