2022.12.02
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[特別リポートJIMTOF2022 vol.3] 多台持ちや複数工程を担う

直交構造のローダーで洗浄や検査まで/シチズンマシナリー

 ワークのローディングをロボットにさせる場合、加工が終わるのを待つ時間が発生する。休まずに働けるロボットをせっかく導入したのだから、加工中はじっと待機ではもったいない。  これまで紹介したように、ロボットアームをAMRに搭載し、その待ち時間に他の工作機械のローディングをさせるのも一つの方法だが、「複数の機械」ではなく「複数の工程」を1台に受け持たせるのも効果的だ。

シチズンマシナリーは、ガントリーローダーを初めて標準オプションに加えた。

 シチズンマシナリー(長野県御代田町、中島圭一社長)は主軸台固定型旋盤の「ミヤノBNJ51SY」に、同社で初めて直交構造のガントリーローダーをオプションで付属させたシステムを出展した。今後は同社の展開する産業用ロボットのパッケージ「FAフレンドリー」の「ガントリータイプ」として提供する。  ガントリーローダーの機能の一つはワークのローディングだ、毎分150mの最高速度を誇る一方、免震システムを搭載し搬送時の揺れを最小限にした。この他、このシステムには洗浄装置と良・不良判定用の検査装置、完成ワークを格納するラックが付属する。ローダーが加工後のワークを取り出してつかんだまま洗浄し、良否判定してから格納ラックに収納する。  露崎梅夫取締役執行役員は「加工後に機械内部でも検査はできるが、検査中は加工が止まってしまう。ローダーでワークを取り出して機外で検査をすれば、機械は次の加工に取り掛かれ、加工と検査を並行してでき非加工時間を短縮できる」と開発意図を話す。

――vol.4へ続く (ロボットダイジェスト編集部 曽根勇也、西塚将喜)

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