[注目製品PickUp!vol.47]物流のフレキシブルで高度な自動化 /EXOTEC「Skypodシステム」
全く同じ倉庫はない
物流業界では現在、人が歩き回って品物を集めるのではなく、人のもとに品物を集める「Goods to Person(G to P)」方式がトレンドだ。 従来のピッキング作業では、作業者はオーダーが入るたびに商材が格納されている棚まで倉庫内を歩き、商品を取りに行かなければならず、作業者の負担が大きい。一方、Skypodシステムはロボットが作業者の手元まで商品を運んでくれるG to Pの自動ピッキング・荷ぞろえ/仕分けシステムだ。作業者はモニターを見て、ロボットが搬送してきたバケットから商材を取り出し、出荷用バケットなどに投入するだけだ。 これにより、ピッキング作業を従来の5倍の速度で行なえるようになった実例もある。ターゲットは、多品種を扱う高稼働な物流倉庫だ。
「顧客とは、導入前にしっかり内容を詰める。そうしないとミスマッチが多い。本気で取り組みたい顧客向けであり、秘密保持契約を結んで進める。導入は、システムインテグレーター(エスアイアー、SIer)の国内パートナーであるIHI物流産業システム(東京都江東区、笠俊司社長)やオークラ輸送機(兵庫県加古川市、大庫良一社長)と一緒に進める。また、メンテナンス契約に基づいた導入後の手厚いサポートも標準となっている」(立脇社長) 導入前には顧客のビジネス展開に合った設備投資計画のコンサルティングをし、導入後にはKPI(重要業績評価指標)の分析もし、稼働率98%を10年間約束するなど、顧客のビジネスに深くコミットするのが「ソリューション提案」たるゆえんだ。フランス本社の他、米国支社と日本支社にシステムの稼働を監視しリモートメンテナンスを司るコントロールセンターを設置している。「トラブルの8割は遠隔操作のリモートメンテナンスで解決する」(立脇社長)ため、メンテナンスをはじめ保守業務の重要性は高い。ロボットのハードも定期点検している。 システム全体としてタスクを分散制御しており、例えばロボット1台が故障したとしても、他のロボットでタスクを処理できる。その意味でソフト制御が技術的な要だ。 また従来の物流システムはカスタムベースで、稼働までに数年かかることが多い。それに対してSkypodシステムは、モジュール化をコンセプトとしているため、導入までの期間が短く済む。この革新的なコンセプトの実現のために、ソフトやハードの開発に積極投資して成長してきた。 「キーワードは、改善とモジュール化。全く同じ倉庫はないため、導入後の改善や拡張がフレキシブルに進められるメリットは大きい」と立脇社長は指摘する。