• 連載
2022.11.14
★お気に入り登録

[注目製品PickUp! vol.46]畳1枚のスペースでバリ取りを自動化/ファインテクノ「FDM-002」

納入前に必ずテスト

大羽達也社長(右)、大槻浩司取締役(左から2番目)、小笠原英城執行役員(左)と「FDM-002」

 FDM-002は今年6月に愛知県で開催されたロボット展「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)2022」で参考出展し、11月10日~12日にかけて横浜市内で開かれるダイカスト(溶かした非鉄金属合金を金型に流し込み、圧力をかけて目的の形状を成形する金属鋳造法の一種)技術の専門展「日本ダイカスト会議・展示会」の初日に正式発売した。  営業担当の小笠原英城執行役員部長は「RTJ2022では非常に大きな反響があった。既存のFDM-001と合わせ、数多くの引き合いを獲得した」と手応えを語る。  FDM-001もFDM-002もターゲットは同じで、まずはバリ取り専用機でも実績の多いアルミダイカスト部品の市場に攻勢をかける。  その一環で、ファインテクノは業界団体の「日本ダイカスト協会」や「日本鋳造協会」の賛助会員になり、現在は主要なターゲット層である中小規模のアルミダイカスト部品メーカーや鋳造品メーカーへのPR活動を強化している。「認知度を高め、FDMの2機種で月10台販売したい」と小笠原執行役員は意気込む。  また、現状は自動車関連のアルミダイカスト部品のウエートが大きいが、今後は「脱自動車」を目指して他の分野の市場も開拓する。

本社工場内に設けたテストセンターで検証してから納める

 バリ取りに特化したパッケージ製品を相次いで開発したことで自動化ソリューション提案の幅が広がり、従来の得意先だけではなく中小規模の新規顧客からの問い合わせも増加した。  しかし、パッケージ製品だからといって、決して売り切りのビジネスはしない方針だ。「バリが取れたかどうかを判定する規格はなく、現状は見る人によって基準があいまいなケースが多い。そのため、最初に顧客としっかり基準のすり合わせをしないと、バリ取りの自動化は難しい」と大羽社長は言う。  そこで、同社は専用のテストセンターを本社工場内に設け、客先に納入する前に必ず検証する体制を構築。大羽社長は「リピート受注を除き、テストをせずにバリ取り専用機やバリ取りロボットセルを納めた顧客は一社もない。顧客に安心して設備を導入していただけるのが強み」と自信を見せる。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE