2022.10.25
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深刻な人手不足で自動化に熱視線【前編】/米国国際製造技術展(IMTS)2022

人件費の高騰が深刻化

主催者展示でも自動化を提案

 自動化の展示が多い背景として、製造現場での人手不足が挙げられる。米国でも日本と同様に人手不足が深刻な問題だが、米国では人件費の高騰で働き手が見つからないとの事態に陥っている。「米国は労働人口が多いものの、賃金の高い産業に流れてしまうため、製造業になかなか人が来ない」と嘆く声も聞かれた。  事実、米国労働省が発表した雇用統計によると、22年8月の製造業の平均時給は30.95ドル(約4476円)で、民間の10業種中7番目の低さだった。20年5月の失業率はコロナ禍の影響で14.7%と大きく悪化したが、22年8月は3.7%とコロナ禍以前の水準に戻った。平均時給の低さと失業率の回復が相まって、人手不足がより深刻となり、自動化や生産性の向上への需要が高まっている。

初心者でも使いやすく

Ezシリーズは米国で開発された米国市場向けの製品

 大手工作機械メーカーのヤマザキマザックは、米国ケンタッキー工場で製造する米国市場向けの工作機械を中心に展示した。 ファナックの協働ロボットを採用した「Ezシリーズ」とマシニングセンタを組み合わせて、加工対象物(ワーク)のローディングから加工までの工程の自動化を提案した。Ezシリーズは、初心者でも簡単に扱いやすいのが特徴で、ワークのローディングやアンローディングはロボットに任せられるため、オペレーターへの負担がかかりにくい。堀部和也上席執行役員兼商品開発本部副本部長は「これからはいかに人手不足を自動化でカバーできるかが重要視される時代になる」と話す。

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