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2020.04.30
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[注目製品PickUp!vol.23]プログラムは自分で!ハイエンドの取り出しロボット【後編】/ハーモ「HRXⅢ-iシリーズ」

トータルリンクとセットで提案

「トータルリンク」の概要(ハーモ提供)

 また最近は、同社独自のソリューション「トータルリンク」とiシリーズのセット提案にも力を注ぐ。  トータルリンクとは、自社で製造する樹脂材料の熱風乾燥機や金型の温度調節器などの周辺機器と取り出しロボットを有線でつなぎ、取り出しロボットのコントローラーで周辺機器の設定や起動、そして稼働状況の監視ができるシステムだ。  営業推進課でマーケティングを担当する横山美奈子さんは「わが社は取り出しロボットだけではなく、射出成形機の周辺機器も開発、製造、販売する。トータルリンクはその強みを生かした提案。さらに、射出成形機とわが社の取り出しロボットを接続する『成形機リンク』と合わせて使えば、樹脂の成形に必要な機器をトータルでつなげられる」と説明する。

 従来は人がタイマーをセットして周辺機器を起動していた。また、使用する金型に合わせて、周辺機器の稼働条件を個別に設定しており、人為的なミス(ヒューマンエラー)が発生しやすかった。これに対し、トータルリンクを使えば、取り出しロボットのコントローラーが周辺機器の稼働条件を設定し適切に起動させるので、ヒューマンエラーを未然に防止できる。  さらに、周辺機器の稼働状況も監視しているので、周辺機器が状態異常を感知した場合にはその時の成形品を設定次第で要検査品置き場、不良品置き場などに自動で排出できる。そのため、不良率を改善できるのも特徴だ。

ユーザー側にも知識が必要

 繰り返しになるが、iシリーズはスマートプログラムを通じて、ユーザー自身でプログラムを作成できる。プログラムの組み方次第では非常に高度な使い方も可能だが、それにはユーザー側にも一定の知識が必要だ。  それだけに、iシリーズの普及には充実したユーザー教育が欠かせない。  同社はそれを大きな課題として認識し、ユーザーを対象とした講習会に力を注ぐ考えだ。「スマートプログラムの講習会で、顧客が自由自在にプログラムを組めるようになれば、iシリーズの商機はもっと広がる」と河口課長は見据える。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

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