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　「連携」に取り組むのは沖総局だけではない。沖縄県も製造業の底上げを目指し、産学官の連携などを後押ししている。 　例えば、沖縄県の製造業の課題に、金型の製造や表面処理など素材加工の技術や、センサーなどの要素部品産業が十分に育っていない点が挙げられる。これらは「サポーティングインダストリー（サポーティング産業）」と呼ばれ、製造業を発展させるための基盤となる分野だ。そこで、沖縄県は産官学の共同研究や企業間の連携を通して、こうした基盤技術の高度化に取り組む。県内企業に機械装置の試作品を開発してもらい、その過程でサポーティング産業の底上げを目指す。 　また、沖縄県商工労働部の出先機関である沖縄県工業技術センターも、県内企業の連携強化を促している。 　同センターは県内の製造業のための技術支援や研究開発に取り組む機関で、沖縄県うるま市に本拠を置く。1998年４月に那覇市の「工業試験場」を拡張移転し、現在の工業技術センターに改称した。 　①企画管理班 ②食品・醸造班 ③環境・資源班 ④機械・金属班――で構成され、現在は37人の職員が勤務する。機械・金属班の中には、サポーティング産業の一つである金型の研究開発や人材育成などを担う「金型技術研究チーム」もある。

　技術展初日の１月28日には、基調講演も催された。 　「産業用ロボットの活用事例から学ぶロボット化のメリット」をテーマに、デンソーウェーブFA・ロボット事業部の澤田洋祐製品企画室長が登壇した。 　講演では、人間の身体を模倣してロボットを作る「人間的アプローチ」と特定の作業に対する部分最適化の発想でロボットを作る「機械的アプローチ」の考え方の違いや、専用機とロボットの比較などを解説した。 　今回の技術展に合わせ、食品業界でのロボット活用事例や同社の技術提案なども披露した。澤田室長は「食品業界には『目』と『手』と『服』が欠かせない」と協調し、AIを駆使したビジョンセンサーと、食品をつぶさずに優しくつかむハンド、次亜塩素酸などの化学薬品を使った洗浄に対応できるロボット用ジャケットカバーの３つを参加者に紹介した。 　さらに、AI関連の取り組みとして、同社が2017年の「2017国際ロボット展」で発表した「マルチモーダルAIロボット」の概要や、人の行動を模倣してAIが学習する模倣学習の技術なども発表し、参加者の興味を引いた。

（ロボットダイジェスト編集部　桑崎厚史）