• インタビュー
2020.01.17
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実績を重ね、普及拡大のフェーズに入った【前編】/MUJIN滝野一征CEO

普及の壁はプログラミング

「爆発的に広がるのはプログラミングが要らない製品」と話す滝野一征CEO

――複雑なプログラミングが不要になるのですね。  爆発的に広がるのは、プログラミングが要らない製品です。例えば炊飯器が「家庭でプログラミングをしなければ使えません」では売れないでしょう。炊飯器は炊飯専用ですからあらかじめプログラムを入れておけばよいのですが、ロボットは何の用途にでも使えるので、あらかじめ特定のプログラムを入れておくことはできません。  ロボットを普及させるには、プログラミングをできる限り不要にすることが何よりも重要で、モーションプランニングAIならそれができます。ロボットのハードウエアのレベルはすでに非常に高いので、これからは“脳みそ”をいかに賢くするかがロボット普及の鍵となります。

物流自動化をトータルで提案できる

物流現場の自動化を総合的に提案(写真は国際ロボット展のMUIINブース)

――昨年前半の展示会では、物流向けの提案に力を入れていました。  物流は「人手が欲しい」という労働力の需要と「その業界で働きたい」という労働力の供給に大きな隔たりがある業界の一つです。つまりはそれだけ多くの自動化ニーズがあります。物流センターでは数多くの製品を扱うため、さまざまな箱に柔軟に対応する技術が求められますが、そのハードルさえ超えられるなら水平展開はしやすい業界です。

箱を2つずつ荷下ろしするシステムも構築できる

 MUJINの技術があれば多種多様な箱に対応できるため、積極的に提案しています。フォークリフトで運ぶような、箱を積み上げたパレット(荷物を積む台)を搬送できる高可搬の無人搬送車(AGV)だけでなく、高さ4mまでの棚に箱を出し入れできる自走式ユニットなどもそろえています。柔軟性の高いシステムなので、まずは小規模に導入し、後に買い増すことも可能です。箱単位ではなく、注文に応じて製品を一つ一つ集めるピースピッキングのロボットシステムも構築でき、物流の自動化をトータルで提案できます。 ――金属部品の加工工場向けの提案についてはいかがですか。そのあたりを後編でうかがえればと思います。

――後編へ続く (聞き手・構成 ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

滝野一征(たきの・いっせい) 米国の大学を卒業後、イスカルジャパンを経て11年にカーネギーメロン大学の研究者だった出杏光魯仙(デアンコウ・ロセン)博士と共にMUJINを創業。大阪府出身の35歳。 関連記事:実績を重ね、普及拡大のフェーズに入った【後編】/MUJIN滝野一征CEO

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