2019.12.09
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研磨ロボの導入を研磨材メーカーが支援/スリーエムジャパン

SIer、ユーザー双方にメリット

 研磨ロボットの導入を考える企業に対しては、研磨システムを構築できるSIerを紹介する。ロボット研磨システムを得意とするSIerとは従来から取り引きがあり、また同社はSIerの業界団体であるFA・ロボットシステムインテグレータ協会(会長・久保田和雄三明機工社長)の会員でもあるため、広いSIerのネットワークを持つ。  SIerはテスト研磨の場としてラボを利用できる。ロボット研磨ラボのロボットには押し付け力などを検出するセンサーが搭載されているため、顧客に対しテスト結果をデータとして示せる。適した研磨材の選定や、最適な加工条件の設定に加え、研磨材と研磨対象物のどちらを固定すべきかなど、システム構築のアドバイスも提供できる。

11月13日のオープン初日にはSIer協会の久保田和雄会長(左から2番目)も駆け付けた
押し付け力を検出する機器などを搭載

「ロボット研磨システムの普及に貢献」と話す日西事業部長

 ロボット研磨ラボの利用は原則的に無料。これ自体をビジネスにするのではなく、同社が製造・販売する研磨材の販売拡大につなげたい考えだ。21年までに、18年比5倍の売り上げ目標を掲げる。  スリーエムは「スコッチブライト」や「3MキュービトロンⅡ」、「3Mトライザクト」などさまざまな研磨材をラインアップする。  「ロボット研磨に求められる研磨材の条件は、交換頻度を減らせる『長寿命』、仕上げ品質が安定する『安定性』、要求タクトタイム以内に作業を終える『高研磨力』の3つ。わが社の研磨材なら、これらの条件を満たせる」と日西事業部長は自信を見せる。  研磨はさまざまな産業で不可欠な作業だが、「若者からは敬遠されがちで、人手不足が特に深刻。人に頼らない研磨作業を確立しなければ、操業危機にさえ陥りかねない。このラボをさまざまな企業に利用してもらい、ロボット研磨システムの普及に貢献できれば」と日西事業部長は語る。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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