ユニークな自動倉庫や柔軟に使える搬送ロボット【その4】/国際物流総合展
「目の役割」だけ人が担う
産業用ロボットを使って、棚に置かれたコンテナなどの容器から製品を取り出すピッキングシステムを提案する企業もあった。 箱の中に位置決めせずに置かれた物を個別にピッキングするのは難易度が高い。事前にピッキングする物の情報を登録し、画像処理技術で認識させれば対応できるが、システム構築の手間や費用が大きい。 富士通は「ヒトを活かしたロボットシステム」をコンセプトに掲げ、こうした課題を解決するピッキングシステムを参考出展した。 棚の前に吸着パッドを取り付けたロボットを設置。棚の上にはカメラを設置し、タブレット端末にその画像を映す。タブレット画面内の製品に人がタッチすると、その場所に吸着パッドが行き、製品を吸い着けてピッキングする。
画像解析システムなどは不要で、1人で複数台のロボットを操作できる。作業者は現場にいる必要はなく、オフィスでピッキング作業が可能だ。立ち仕事で体力が必要な現場作業は人手不足が深刻だが、オフィスで作業ができるなら人材も確保しやすい。通信インフラさえ整っていれば、在宅でも作業ができる。 「物流センターには次々に新しい製品が入ってくる。高価な画像解析システムや各種センサーなどでシステムを作り込むよりも、『目の役割』だけは人が担うこうしたシステムの方が柔軟に運用できる」と次世代営業本部ロジスティクスビジネス部の上岡正氏は話す。
――終わり (ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)