2021.01.01
★お気に入り登録

[年頭所感]日本ロボット工業会 小笠原浩会長

 政策面では、政府が2019年7月に取りまとめられた「ロボットによる社会変革推進計画」において、ロボットの社会実装を加速することで社会変革を推進するとして、人材育成、エコシステム、R&D体制の構築やオープンイノベーションを重点に各種政策を強力に展開しています。そして、昨年7月に産学連携のロボット人財育成機関としてロボット革命・産業 IoTイニシアティブ協議会内に「未来ロボティクスエンジニア育成協議会(CHERSI)」が設立されたほか、同8月に社会実装を加速するオープンイノベーションの観点より「技術研究組合 産業用ロボット次世代基礎技術研究機構(ROBOCIP)」が設立されるなど、新たな活動がスタートしたところです。  当工業会としても、昨年はコロナ禍の影響により事業活動ではさまざまな影響を受けましたが、「with コロナ」が常態化する中で、事業の取り組み方法に違いはありますがロボットの社会実装を加速し、ロボットの利活用推進にあたって全力で取り組む所存です。そして、当工業会の活動の柱となっている「市場拡大に向けた取り組み」、「イノベーションの加速化」、そして「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」の三つを主体的に行うこととしております。  特に、市場拡大に向けた取り組みとしては、その担い手でもあるFA・ロボットシステムインテグレータ協会(会長・久保田和雄三明機工社長)が、昨年度試行した「ロボットSI 検定3級」を本年度より正式に実施運用することとしており、システムインテグレーションに対する専門性の高度化に向けた人材育成の活動をはじめ、業界ネットワークの構築やマッチング活動などの事業をさらに積極的に展開することと致しております。  また、イノベーションの加速化では、ロボット関係学会および関連業界との連携を通じ、市場の獲得・拡大、さらにはわが国競争力の維持・向上を図ることとしています。  そして、ロボットの国際標準化では、JIS Y 1001(サービスロボットを活用したロボットサービスの安全マネジメントシステムに関する要求事項)が 2019年5月に制定されたのに併せ、ISO/TC299へ新規作業項目の提案を行った結果、2020年7月に新たなWGとして採択・設置され、日本が議長国となってISO規格制定に向けた審議が開始されることとなりました。このように国際標準や国際交流についても引き続き積極的に推進することとしております。  展示会に関しては、コロナ禍で昨年中止となった「実装プロセステクノロジー展」を5月26日~28日に、また、延期となっていた「Japan Robot Week(ジャパン・ロボット・ウィーク)」を7月8日~11日に開催するとしております。いずれもCOVID-19の感染状況を見つつ、対策に万全を期して準備を進めてまいります。その一方、本年12月に開催予定であった「国際ロボット展」については、東京オリンピック・パラリンピックの開催上、残念ながら年を越して 2022年3月9日~12日での開催となりました。  そして、当会は2022年10月に創立50周年を迎えますが、その「50周年記念事業」企画について現在検討を行っております。それらの具体化と準備作業を2021年度より本格的に取り組むほか、市場調査、技術振興などの各事業についても意欲的に展開する所存です。  引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆さまのご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE