• インタビュー
2019.12.02
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[特集 国際ロボット展vol.2]アプリ開発、育成など続々/安川電機 津田純嗣会長

中小企業の導入支援に協力

――啓もう活動にも力を入れています。  今年9月に福岡県中小企業生産性向上支援センターが開所しました。生産性向上のため企業診断から設備導入支援まで行う拠点ですが、わが社もユーザーの人材育成や技術支援に協力しています。早く中小企業の導入事例を増やしてほしいですね。生産性向上の手段はロボット導入だけではありませんが、遠からず人を雇えなくなる時が必ず来ます。「自動化するか廃業するか」との厳しい選択を迫られるかもしれません。「自分の時代は大丈夫」と思わず、将来事業を継承したり売却したりできるよう、企業価値を高める努力をすべきです。 ――ロボット業界の課題は。  ロボットユーザーが爆発的に増えるには、ユーザーの現場にロボットを扱える技術者がまだ足りません。われわれメーカーがテクノロジーでサポートしながら、子どもがゲームをするような感覚でシステムを作れる環境が理想です。 ――安川電機が目指す企業像は。  1960年代からメカニズム(機械装置)とエレクトロニクス(電機)を合わせたメカトロニクスという言葉を提唱してきましたが、根底にあるのは世界から「きつい」「汚い」「危険」の3Kの仕事をなくしたいとの思いです。世界にはまだまだ多くの3Kの仕事がありますが、少しでも早くロボットに置き換えられるよう努めます。

(聞き手:松川裕希)

津田純嗣(つだ・じゅんじ) 1976年3月東京工業大学工学部機械工学科卒業、安川電機製作所(現安川電機)入社。2005年取締役モーションコントロール事業部インバーター事業統括部長、07年ロボット事業部長、09年常務、10年社長、13年会長兼社長、16年から現職。日本ロボット工業会、日本電機工業会の各会長などを歴任。17年12月から国際ロボット連盟会長。福岡県出身。1951年生まれの68歳。

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