簡単に扱えるロボ提案、製造業向け展示会で相次ぐ
9月13日~15日に、関東各地で製造業向けの複数の展示会が開催された。人手不足が進む製造業向けに、産業用ロボットを使った自動化提案が目立った。プログラム作成などが不要で、ロボットの初心者でも簡単に扱えるようなシステムを提案をする企業が多かった。特に、機械に加工などの対象物(ワーク)を付け外しするマシンテンディングや、ワークをつかんで動かすハンドリング技術に注目が集まった。
協働ロボットの導入をサポート
千葉市美浜区の幕張メッセでは9月13日~15日、「スマート工場EXPO(エキスポ)」など複数の展示会が開催された。製造業向けのモノのインターネット(IoT)システムや人工知能(AI)などの専門展で、画像処理ソフトウエアやロボットの制御システムなど、産業用ロボットに関連する製品も展示された。 京セラは、台湾のロボットメーカー、テックマンロボットの協働ロボットを使って自動ピッキングのデモを披露した。 テックマンロボットはロボットアームの先端にカメラを標準搭載する。今回はそのカメラではなく、3Dカメラをアームの先端に搭載した。3Dカメラで撮像したワークの形状をAIで認識して、ロボットの動作に生かす。 展示では、箱の中にばら積みした細い円柱状のワークを認識。箱から1つずつ拾い上げて、コンベヤー上に並べた。ワークは両端の形状が異なっており、その形状を見分けて向きをそろえてコンベヤーに載せた。 ワークが類似形状であれば、再学習なしで認識できるという。例えば、似た形状で長さの異なる品種に切り替えても、再学習をせずにピッキングできる。
ロボットの遠隔操作をアピール
テックマンロボットの国内代理店の1つ、SSI(浜松市中区、小笠原誠社長)は外観検査や遠隔操作のロボットシステムを出展した。 外観検査のシステムにテックマンロボットの「TM AI COBOT(コボット)」を組み込んだ。会場では、標準搭載のカメラとAIで電子基盤に取り付けた部品を効率的に検査するデモを披露した。 また、ロボットの遠隔操作システムはリモートロボティクス(東京都港区、田中宏和社長)のサービスを活用して構築。必要なタイミングで作業者が遠隔地からロボットの動作の開始などを指示できる。作業者の自宅からでもロボットに指示を送れる。 リモートロボティクス事業企画部の三好将文シニアプロダクトマネージャーは「人手不足に悩む現場は多く、課題を解決する新しい選択肢としてロボットのリモート化を提示できれば」と話す。