[SIerを訪ねてvol.37] マーキングの自動化に強み/山田マシンツール
ロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」。今回は、刻印機メーカーと工具商社の2つの顔を持つ山田マシンツール(東京都台東区、山田雅英社長)を取材した。同社は新たに国内でSIer事業を本格化する方針だ。先んじてタイの現地法人で自動化システムの実績があり、国内でも展開していく。「ファクトリーオートメーション(FA=工場自動化)事業」の強化について山田社長は「わが社の強みであるマーキングを中心に、その付帯作業も含めた自動化を提案する」と話す。
国内でSIer事業を本格化
タイの現地法人がきっかけ
同社のFA事業では「生産コスト」「品質向上」「生産性向上」「健康と安全」の4つを重点項目とする。 生産性の高い自動化システムで生産コストを低減し、作業者の熟練度の違いによる品質のばらつきも防ぐ。 また製品の種類ごとに設けていたラインを1つのシステムにまとめることで、省スペース化も実現できる。ある工場では18種類の製品のマーキングを1台に集約し、設備スペースを従来の半分に削減できたという。 山田社長は「ユーザーはマーキング自体にはそこまでコストをかけられない。1台で多品種少量生産できるなど、付加価値の高いシステムを提案できるのがわが社の強み」と自信を見せる。 SIer事業を始めたのはタイの現地法人がきっかけだった。4年ほど前に日系企業から工場の自動化の要望があり、パレタイジングシステムやロボット溶接システムなどを設計した。 「タイでも人手不足は大きな問題で、自動化のニーズは高い。現地のエンジニアを育成し、システムの設計やロボットのティーチングをできるようにした」(山田社長)と語る。タイのSIer事業に手応えを感じ、国内でも本格的に取り組むことを決めた。