伸びる生地で防水や防汚を実現/テイアイテイ
高機能繊維商社のテイアイテイ(千葉県柏市、竹ノ内至秀社長)は、シリコーンコーティングした特殊な生地「シリコテクス」を武器に、ロボット保護カバー市場に参入を図る。4月には、シリコテクスを使用した協働ロボット用の保護カバー「RobotFit(ロボットフィット)」を発売した。「伸縮性が高いため、ロボットアームの動作に追従でき、着脱も容易。形状をシンプルにできるため、コストも抑えられる」と諏訪秋彦開発営業課長は言う。
コーティングが割れない
テイアイテイは、特殊な機能繊維を扱う専門商社だ。糸や布だけでなく、布を縫製して作る自社企画の製品まで幅広く扱う。 これまでは耐熱手袋や帯電防止コードカバーなどの自社企画製品を販売してきたが、4月に新たに協働ロボット用の保護カバー「ロボットフィット」を発売した。ロボットアームを水や油、薬品、ほこり、粉じんなどから保護するための製品だ。 「ロボット市場は拡大傾向にあり、調理用ロボットシステムなど用途も広がっている。ロボット用カバーなら自社の強みである高機能繊維のノウハウを生かせる」と諏訪課長は参入理由を説明する。 ロボットフィットの大きな特徴が、独自素材シリコテクスを採用したこと。布は、縦糸と横糸で織った「織物」と、糸を編んだ「ニット」の2種類に大別できる。ニットの方が伸縮性は高いが、コーティングを施すと伸縮時にシリコーンが割れてしまうため、従来は伸縮性とコーティングの両立は困難だった。この両立を可能にしたのがシリコテクスだ。